株式会社LIFE CREATE代表・前川彩香 ビジョンを実現するタイムマネジメント術

株式会社LIFE CREATE代表・前川彩香 ビジョンを実現するタイムマネジメント術

turning point震災にコロナ禍。起承転、転、転…の歴史

――前川さんのビジネスの基礎を作った経験を挙げるとしたらどんな経験でしょうか。

2号店をオープンしたときに私がそちらにつきっきりになってしまって、1号店のメンバーが疲弊し退職者が続出したんです。メンバーと話をしてみると、何のためにやっているのかがわからないから苦しいという声が出てきました。そこで赤字になっていた1号店を閉店して統合し、もう一度パーパスからしっかり共有して気持ちを一緒にするところからやり直しました。よく経営では「理念とそろばん」が重要だと言われますが、パーパスとビジネスの両輪を回すという自身の経営スタイルができたきっかけでした。

それともうひとつは東日本大震災。4店舗目の仙台店ができて1年ほどでの出来事でした。被災をしてしばらくは営業停止状態でしたが、幸いお店が都心部にあったので1か月もするとだんだんライフラインが整ってきたんです。弊社のメンバーやその家族は無事だったのですが、まだ行方不明者の捜索が続いているような段階だったので、このままお店を再開していいのか、現地に行ってボランティアをしたほうが役に立てるんじゃないかと悩みました。でも私たちがやっている事業は、エクササイズを通して女性たちが自分を信頼したり認めたりする場であると考え直して。被災してメンタルが緊張状態にある今こそお店をオープンするべきだと思いました。そうしたら、本当にたくさんのお客様がいらっしゃって。涙を流してレッスンを受けられるお客様もいらっしゃって、自分たちのやっている事業の意味と価値をリアルに感じました。全国にもっと事業を広げようと思うエンジンになった出来事でしたね。

広報さん曰く、「会社の歴史を語っていると起承転転転転と転の連続。突破するたびに飛躍している」のだそう。

――転機になった出来事を挙げるとしたら、どんなことでしょうか。

やはりコロナじゃないでしょうか。コロナ禍でフィットネス業界は全店休業しなければいけなくなり、売上もゼロになりました。ただそのときの判断がすごく私たちのパーパスに立ち返り、今の成長につながる転機だったなと思います。

――どんな判断を?

「誠実にいるためにはどうしたらいいのか」という判断。例えば、その年は新卒120名に内定を出していましたが全員採用しました。それに、フィットネスは通常休会する2カ月くらい前には手続きをしなければいけないのですが、パニック状態で先が見えない中、お客様に誠実でいるためにはすぐ休会できるようにした方が良いと思い、業界でいち早く即時休会ができるようにしました。

ほかにもコロナ禍で積極的に出店ができなかった分、内部環境を整えるほうに集中したので、利益改善もしています。

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