株式会社コーチェット代表・櫻本真理 過去の「なぜ」ではなく望む未来のために何ができるか

株式会社コーチェット代表・櫻本真理 過去の「なぜ」ではなく望む未来のために何ができるか

life style女性経営者の抱えるジレンマ

――櫻本さんはご自身も起業されていますし、仕事を通しても多くの起業家を見てきていると思いますが、女性が起業をすることにはどんな難しさがあると感じますか?

一番実感したのはやっぱり子育てなんですよね。圧倒的に事業の進みを一回止める要因になってしまう。会社のフェーズによってはチームの力でカバーするのが難しいこともあります。それから自分が100%で走っていればできたはずのことが、半分くらいは子育てにエネルギーを持っていかれる状態が続くので、「本当ならもっとできるはずなのに」というジレンマをずっと抱えながら走っているという感覚はあります。

その一方で、私は子育てにマインドシェアをとっているほうだとは思うのですが、それでもやっぱりもっとずっと子どもを見ていたいという気持ちが出てくることがあります。子どもがこんなに必要としてくれる瞬間って今しかないのに、仕事にもコミットしたいし、常に両方やりたいジレンマがあるので、自己嫌悪になったりしますし、本来のスピード感が出なかったり、意志決定に迷いが生まれることはありますね。

男女で事業の傾向はある?「女性の経営者に多い特性としては、目の前の人を喜ばせたいという気持ちが強い人が多い。男性の多い起業家コミュニティではスケールすることが良しとされる価値観があり、そのズレがジレンマを産むことも」

――今は仕事と子育てはどのように両立されているのでしょう?

日中は子どもは幼稚園に行っていますし、あとは夫と母にもすごくサポートしてもらっていますね。基本的には子どものことが優先なので、行事があるときや、子どもに何かあったときは何よりも子どもの優先順位は高いのですが、どうしても仕事に集中しなければいけないときは遠慮なく夫や母に頼っています。どちらか一方になってしまうのは健全ではないと思いますし、子どもが育っていくのは楽しいので、みんなで楽しめたほうがいいと思うんですよね。

futureリーダーだけでなくすべての人にサービスを広げる

――今後の展望を教えてください。

私達の会社は、「すべての人が、互いを生かし、育て合う社会をつくる」というビジョンを掲げているんですけれど、全ての人と言いつつ今は一般企業のリーダー向けのサービスが中心になっています。でも本当にサービスを届けたい相手って、リーダーはもちろんですが、親や先生のような子どもに直接関わる人たち。だから親や先生がそうしたコミュニケーションを身に着けられるようなトレーニングの実践やナレッジを浸透させることができるといいなと思っています。あとは私たちの会社に関わってくれる人たちに幸せになってもらいたいという気持ちが大きいので、そのために何ができるかを今模索しているところです。

――最後に日々大切にしている考え方を教えてください。

先ほども言った「直感を大事にする」ということはすごく意識していることです。

それと、亡くなった父が言っていた言葉ですごく頭に残っているものがあって、「迷うっていうのはどっちでもいいってことなんだよ」という言葉。確かに迷うときって、40対60とか、55対45とか微妙なラインで意志決定に迷っているわけじゃないですか。そこで迷うよりも、どちらかに決めてしまって自分の選んだ道を正解にするための方法を考えていくということは大事にしています。

――まさに一度目の起業のお話がそうですね。

そうですね。間違いだったかもしれないと考えてもしょうがないので、未来を見て。「なぜこうなったんだろう」じゃなくて「良くするために何ができるんだろう」ということを意識するようにはしていますね。

まさにそれがコーチング的な考え方でもあるんですよね。「なぜ」はあまり問わずに、「望む未来に向かって今できることは何ですか?」ってよく問いかけたりするんです。過去と他人は変えられないけど、現実を変えて未来を思い描くことはできる。そういう考え方ですね。

 

お仕事についてのみならずマインドについても、コーチングの視点からとても為になるお話を聞くことができました!

■株式会社コーチェットの公式サイトはこちら
https://company.coached.jp/

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