仕事をしながら、大学院生、母としても多忙な日々を送る金城華乃子さん。新卒で広告代理店に入社、希望していた美容系の転職にも成功とプラン通りにキャリアアップを重ねていた最中、初めて経験した挫折…。大きな転換点となった20代の下積み時代のお話を中心に、30代となった今の人生観をお伺いしました。
【金城華乃子プロフィール】
31歳/職業:株式会社Neautech PR責任者 /家族構成:夫、娘(1歳4か月)、犬一匹(ポメラニアン)
instagram @canocokinjo(金城華乃子)
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topics仕事にプライベートにリリースしまくりの2021年
――今大学院でも勉強されていると伺いました。大学院ではどんなことを?
MBAがとりたくて早稲田大学大学院の経営管理研究科で経営学を学んでいます。もともと自分でビジネスをやってみたい気持ちがあったのと、実家が美容クリニックを経営していることもあり、経営には興味がありました。実はこの大学院で出会ったクラスメイトと起業しています。
――起業はどんなことを?
定額制の美容クリニック「HADA LOUNGE クリニック」のプロデュースです。私は会社のブランド戦略室で、PRとかSNSとか顧客コミュニティとか、ブランディング系のマネジメントをやっています。ブランドに関わるところでお客様に「素敵!」って思ってもらうものを作るための部署ですね。2023年1月にはオンライン処方薬サービス 「ANS.(アンス)」がローンチ予定で、今はそれに向けての大詰めをしているところです! 是非多くの方にご利用いただきたいです。
――起業の準備をし始めたのはいつ頃なのでしょうか?
2020年の9月くらいから始めました。まさにこのプロジェクトが始まって3か月くらいで妊娠が発覚したので、妊娠中のプロジェクトだったので思い出に残りました。クリニックのオープンに出産に、2021年はリリースしまくる一年でした(笑)。
――大変!
大変でした。でも動けなくなるほどのつわりなどはなくて。毎日夜中まで仕事してましたね…。今考えるともっとゆっくり過ごしても良かったかなと思いますが、同じように頑張る働く妊婦ママに「かっこいいママ、お腹の赤ちゃんもきっと誇らしいよ!」と励まされて頑張れました。
――いつ頃までそんな生活を…?
生まれる3週間前くらいまで仕事していて、ギリギリに産休に入りました。産後も4ヶ月くらいからぼちぼち仕事始めて、8ヶ月で完全復帰をして。
work style27歳、人生で初めての挫折を味わう
――金城さんは、大学院に入る前に会社員の経験もありますよね。
新卒で入ったのが広告代理店で、その後外資系の化粧品会社でマーケティングのお仕事をしていました。会社との相性も良くてその時はすごく楽しかったのですが。
――何かトラブルでも?
別の化粧品会社に転職したら、今まで出来ていたことができなくなってしまって。人生で初めての挫折を味わいました。「私だめなのかな」「仕事向いてないのかな」ってすごく思い悩みました。その時にいろいろ考えた結果、人に翻弄されて生きていくのではなくて、自分で主導権を握ってデザインして生きていきたいなと思って、会社を辞めてフリーランスになりました。
――それはいくつの時ですか?
27歳ですね。挫折がなかったら今も変わらず、化粧品業界でOLをしていたと思います。大学院に行こうと思ったのもその時。
20代の頃は、もともと化粧品やファッションの業界でマーケティングやPRなどの仕事をしたかったのですが、新入社員の配属リスクも考えて最初は広告代理店に入って、しかるべきタイミングで転職しようみたいなところまで決めていて。目標に対して逆算して、この時にこれをやるというのをあらかじめ決めていました。でも、30代になってその考え方をしなくなりました。
――それはなぜですか?
やっぱり環境の変化が大きいですね。子どもが生まれたことや、大学院の仲間との出会いで新しいキャリアが築けたっていうのが大きい。そういうセレンディピティ、偶然の出会いによって、自分の想像をはるかに超えた新しい世界が開けるんだなっていうことに最近気づいて。20代はある程度頑張ってきたから、30代からは流れに身を任せるというか、波に乗るみたいなことを意識しようかなって思っています。
life style大変だからこそ両立している自分を楽しむ
――産休明けの仕事復帰の大変な時期は、どうやってやりくりしていましたか?
最初は仕事8割くらいで始めて、完全にフルタイムで復職してからは、子どもを保育園に預けたり、シッターさんを呼んだり。ただ私としては仕事をせずに子育て中心だったときより、今のほうが自分らしく充実した日々を過ごせているように思います。もちろん子育てしながら仕事をするのは楽なことばかりではないですが、夫と協力しながら頑張っています。
――両立のコツってありますか?
外注するところはする。それと両立している自分を楽しむようにはしています。大変だけど、人を育てるっていう行為を通して人間的にできることが増えていくのは楽しいですね。もちろん子どもの成長も楽しくて、幸せです。
――オンオフの切り替えはどんなタイミングなんでしょう。
どうなんだろう…仕事のときも母のときもどっちもオンって感じですね。モード切り替えみたいな。月に1、2回通っているパーソナルトレーニングを受けているときが、多分一番リラックスしていると思います。ウェディングのトレーニングとか産後のダイエットとか、私のライフステージに寄り添ってボディメイクをやってくださっていて結婚前から通っています。
――夫さんとは普段お出かけしたりします?
します! 先々月くらいから毎週金曜の夜にシッターさんを頼んでいて。そのときに友達と約束してご飯食べに行ったりとか、夫と二人でご飯食べに行ったりとか。この時間があるとないとでは全然違います。
future迷ったときのための優先順位、1位は「家族」
――今後やってみたいことはありますか?
いつになるかは分からないですが人生の中で、実家がある沖縄のためになるビジネスや活動をしたいと考えています。数字を追うだけのビジネスじゃなくて、社会にも還元できるようなことがしたいっていうのは、高校生の頃からの夢です。
――それを実現するにあたって、例えば自分は沖縄に行かなければならない、でも子どもは東京にいたい、となったらどうします?
そうなった場合のために優先順位を決めているので、子どもに合わせると思います。
――優先順位とは?
自分の中でこれから先いろんな選択をするときが来ると思うのですが、迷わないために優先順位をつけていて。自分の中の優先順位の1位は家族。「家族が一番大切」っていう軸を中心にいろんなことを選んでいきたいなと思っています。
保育園行かせるか幼稚園に入れるかとか、小学校受験するかどうかとか、いろんな選択の場面があって、そのときどきですごく迷うと思うんですよ。でも優先順位が決まっていたら自分も納得できるし、何のせいにもならない。
――最後に、日々大切にしている考え方を教えてください。
昔のことわざで、「意思あるところには道は開ける」という言葉がすごく好きで。結局自分が「こうしたい」と思ったところに道が開けていくので、目標を持って意思を持つ、できるだけ口に出す。日々どうしたいのだろうと自分の意思を自問自答しています。
それと、現状を楽しむっていうことは忘れないでおきたいと思っています。今後、今までの人生でやり残したことを子どもと一緒にやりたいなと思っていて。例えば子どもと一緒にダンス教室に通うとか、格闘技とか太極拳とかやってみたい(笑)。そういうのって自分ひとりだったらなかなかやらないから。一緒に新しい世界が見られたらいいなって思います。
仕事でバリバリ活躍しているイメージの強い金城さんですが、その原動力は実は「家族」。挫折から立ち直ったエピソードにも勇気をもらえますね♪