娘5人、孫11人…生活保護の勧めが転機に 日本シングルマザー支援協会代表・江成道子

娘5人、孫11人…生活保護の勧めが転機に 日本シングルマザー支援協会代表・江成道子

work styleマネタイズ0で始めたシングルマザー支援

――協会設立に至った経緯をお伺いしたいのですが、設立前はどんなお仕事をされていたのでしょうか?

ずっと営業職をやっていました。21歳で一人目の子どもを産んでるんですけど、離婚や結婚を経験しながらも仕事は続けていました。協会を設立したのは2013年ですが、その直前までメーカーに営業職として勤務していましたね。

――起業しようと思ったきっかけは?

なんとなく若いときから、起業したいというのは頭にあったんです。というのも組織にいたら人の言うことを聞かなきゃいけないから、それが嫌だという理由(笑)。会社勤めをしながら、実際に起業の真似事を始めてみましたが、最初はうまくいきませんでした。

なぜうまくいかないのか、私に何が足りないのかを考えた結果気付いたのが、会社に必要とされる経験が足りていないということ。「言うことを聞くのが嫌だ」と言っていたら必要とされないのは当然ですよね。だから、上司が私に何を望んでいるのか、何をすれば会社に貢献できるのかという視点で働くという経験を積んでみようと思って、35歳くらいから、それまでよりも規模の大きな会社で働くという経験をして、その後に協会を始めました。

 

仕事をする上でのこだわりは?「相手が何を求めてるのかをとことん知る。『この人が使っている言葉の本当の意味は何だろう』ということを常に考えて、求めているものを理解した上で、対価以上のものをお返しできるようにとしています」

――営業職の経験もありますし、シングルマザー支援以外にも事業の選択肢があったのではないかと思いますが、この事業内容を選んだ理由はどんなところに?

自分の経験を活かしたいという思いが強いです。シングルマザーの経験が長く、その中で「どうして働きたいのに働けないんだろう」と疑問に思っていて。正直、立ち上げたときはマネタイズのことは全く考えていませんでした。コーチングができるので、自分自身はコーチングで生計を立てながらやっていこうかなと思ったんですけど、そんなにうまくいかなかったです。

――うまくいかなかったというのは。

思った以上に協会への問い合わせが多かったんですね。すぐにテレビの出演依頼も来たりして。協会としての仕事が忙しくなってコーチングをやる暇がなくて、「このままじゃ私が貧困になるのでは?」と思いました。

――なるほど、それは嬉しい悲鳴と言いますか…その後どのように事業は安定していったのでしょうか?

例えばテレビに1回出ると、それを見た企業さんから連絡をいただいたりして、その中で「企業とシングルマザーをマッチングさせることでお金を頂けばいいのか」とわかって人材紹介の免許をとって。そうすると次は他の人材紹介会社との差別化を図るために、楽しく長く働くということを掲げて。そういう流れでマネタイズが出来ていきました。でも最初の2年くらいは良い条件の求人情報があると私が働きにいきたくなるほど、うまくいかないことが多かったです。「あなたが働きに行っちゃったら協会は終わるよ」って今の副代表が止めてくれていましたね。

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