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work styleシングルマザーの起業は「子どもを犠牲にする覚悟があるなら」
――今、仕事と子育てはどうやって両立していますか?
結論から言うと両立とはとても言えないですね。稀なケースだと思うのですが、今の夫が本当に協力的なんですよ。基本的に私はご飯を作らないですし、そもそも夫が料理好きで料理人レベルで凝るんです。掃除はアウトソーシングしていて、水回りの掃除は全部家政婦さんにお任せしていますし、一番下の子が小さいのでシッターさんも使っています。
私の両親はもう亡くなっていていないけれど、彼のご両親はすごく理解があって、自分の孫でもない上の子ども二人も本当に大事にしてくれています。私、一回目の結婚の時は義両親に猛反対されて、最後の最後まで仲良くなれなかったので、自分自身もすごく驚いているんです。普通なら「料理は作らないし、仕事で家にいない嫁ってどうなの?」と思うじゃないですか。でも「光ちゃんのやりたいことをやってていいよ、いつでも助けるから」って。本当に周りに支えられています。
――この5年間は起業をしたり経営をしたり、それまでとは働き方が変わったと思いますが、そのことが家庭や子どもとの関係に影響を与えることはありましたか?
影響しかないですね。起業当時は、はっきり言って子どもを犠牲にしていました。今は夫や家族のフォローがあるけど、当時は生きていくために稼がなきゃと必死。私が今救おうとしているママ達と一緒です。
私は起業のセミナーでお話することもあるのですが、一般的な起業のセミナーって夢を見せるようなことを言うことが多いと思うんです。起業すると自由に働けるとか稼げるとか。でも私は「子どもを犠牲にする覚悟があるならやってください」と伝えています。そのくらい覚悟を決めないといけない。一人で経営するということは、もし売上が上がらないと子どもにしわ寄せが行くんです。それに耐えられないんだったら、安定した正社員でいるべき。経営者として生き残れる人のパターンって、ずっとお金を出し続けてくれる人がいるか、何があってもめげないメンタルを持っているかのどちらかだと思っています。ありがたいことに私は本当にメンタルが強いものですから、この気持ちがあればお金はついてくると思ってるんですよね。そのどちらもないんだったら、起業は難しい。子どもが小さくて大事な時期と天秤にかけて、それでもやるべきかどうかで決めてくださいとアドバイスをします。
――ご自身のことを鑑みて、子どもたちを犠牲にせざるを得なかった期間は、子どもたちとの関係はどうでしたか?
忙しくて一緒にいられる時間が本当に少なくて…一緒にいてあげたいけれども、このアポに行かないと売上が立たないというようなことですごく葛藤しました。朝はなかなか見送ってあげられなかったし、夜も小学校低学年の子どもたちに留守番させたりということも多かったです。離婚して転校も経験させましたし。
今でも仕事で家にいないことは多いですが、子どもが悲しんでいるときや、つらいことが起きたとき、大事な時間は必ず子どもと一緒に過ごすようにしています。そして私が何のためにこの仕事をしているかを伝えて、子どもたちもそれを理解してくれています。メディアのインタビューを受けたことがあるんですけど、「自慢のママです」って言ってくれましたね。