現在日本に130万世帯あると言われるシングルマザー世帯。せめてその一割を救うことを目標に事業を展開する、石光(せき・ひかり)さんにインタビュー。自身もシングルマザーを経験し、現在は再婚しステップファミリーを築く石さんに、事業のことや家族のことをお伺いしました。
【石光プロフィール】
年齢:40歳/職業:株式会社ままよろ代表取締役社長/家族構成:夫、子ども(13歳、11歳、2歳の三姉妹)
insta @seki_hikari
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topics人生を変えたいシングルマザーに仕事と教育を提供する「ままよろ」
――石さんが今どのような事業に取り組んでいるのか、教えてください。
今は二つの事業に取り組んでいます。一つはシングルマザーの女性に、教育とお仕事を提供している会社「ままよろ」です。
「ままよろ」ではクライアントである企業様からお仕事を請け負い、シングルマザーの方々にその仕事を振り分けているのですが、本気で自分の人生を変えようと努力のできる方だけが生き残れる仕組みになっています。なぜかというと結果にコミットできなかったら、お客様から契約を続けていただいたり、使ってよかったと思っていただけないと考えていて。「シングルマザーが働いているから、かわいそうだから仕事をあげる」とはしたくない。だから私たちは全面的にシングルマザーをアピールしていないんです。
――働いているシングルマザーの方たちは「ままよろ」でどんなお仕事をされているのでしょうか?
企業様のバックオフィスや営業・接客をオンラインで行っています。働き方にはいくつかパターンがあって、多くの方がほかに本業をお持ちで副業として働いています。本業で昼間働いて夜も働くとなると、キャバクラのように夜出かけるしかなくなり、子どもが一人になってしまうんですよね。それが起きないように、家にいながら月にプラス3~5万を稼げるような形態で仕事を依頼している方が170人ほどいます。「ままよろ」専業の業務委託の方もいて、頑張っている方は月に30万円ぐらい稼いでいただいていて、こちらはだいたい20~30人ほどです。それとは別に、本部で雇用しているメンバーが7人います。
――シングルマザーが働きやすい環境を作るために、どのような取り組みをされているのでしょうか?
「ままよろ」ではクライアント様のお仕事を必ずチームで行います。一人に全責任を負わせてしまうと休みにくいので、誰かが体調悪いときや子どもの行事に参加したいときはチームのメンバーが業務を行いサポートできる仕組みにしています。3年ほどかけてようやくこの仕組みを作ることができました。
私もシングルマザーの家庭で育っていて、自分自身もシングルマザーを経験していますし、周りを見ていてもシングルマザーは非常に働きづらく、こんな世の中はおかしいと感じていて。働きづらいから貧困に陥るし生きることに必死で、そうやって追い込まれてメンタルが落ち込んだときに、子どもに八つ当たりをしてしまうことがあるんです。「この子さえいなければ」と言いたくもない言葉を発してしまう。それを解決するには金銭的な安心しかないんです。だから、子どもがいることがマイナスにならずにお給料がちゃんと稼げる仕組みを作ろうと思い、「ままよろ」を立ち上げました。