今、在宅ワークを中心に副業をする人が増えています。政府も副業を推進しており、副業を認める企業も年々増加の傾向にあるようです。ただ「副業をしてみたいけど、ちょっと不安がある」という人も多いことでしょう。
そこで今回はそんな人のために、副業の種類や副業を始める上で気を付けたいことなどについて紹介します。ぜひ参考にしてください。

そもそも副業とは？

副業とは、本業以外の仕事で収入を得ることを指します。副業を行う場所は雇用先のオフィスであったり、自宅であったりと様々で、一般的には本業の労働時間以外や本業が休みの日に行われることが多いようです。

副業を探す手段としては、副業・求人サイトやサービスを利用する、知人友人に紹介してもらう、SNSを活用する、企業に直接連絡するなどがあります。

副業のメリットとは？

①金銭面、精神面で余裕ができる

副業のメリットとしてよく耳にするのが、「副業により経済的、精神的にゆとりができる、安定する」ということです。
終身雇用の時代ではない今、勤務先の会社から解雇される、または会社自体がなくなる、何らかの事情で会社を急に辞めざるを得なくなる、というリスクがあります。そんな中で、副業をしていることがリスクヘッジになりますし、副業で金銭面に余裕ができることが精神面の安定につながる、ということもあります。
他にも「本業の仕事自体は好きで辞めたくないけれど、給料が安いのがネック」という場合なども、副業により収入をカバーすることができます。

②会社をやめず将来独立・起業・転職したい場合の準備、お試しができる

将来的にフリーランスとして独立したい、会社をおこしたい、転職したいと思う場合もあると思いますが、そんな人には「将来したいことを、副業でまずはやってみること」をおすすめします。

会社に在籍した状態なので、副業として始めてうまくいかない場合はその副業をやめればいいだけですし、経済的にも精神的にも負うダメージは比較的少なくて済みます。もし副業が成功した場合は、会社勤めをやめて副業を本業としてスタートさせるのもいいですし、会社をやめずに起業するという方法もあります。

また副業で「未経験の業種・職種」の仕事にチャレンジしてみたところ、今までしていた仕事より向いていたことが分かり、転職を後押しするきっかけになった、というケースもあります。

③本業では得られない経験ができ、スキルアップにつながる

副業により、本業だけではできない経験ができたり、貴重な人脈を得ることもできます。また副業により、あらたな知識やスキルが身に付き視野が広がることで、本業にもいい影響が出ることもあります。
そういったこともあり、最近は副業を推奨、容認する会社も増えているようです。採用活動を行う中で「副業OK」をアピールしている会社もあります。

副業の代表的なものとは？

ここでは、実際に副業をしている人が多いものや副業初心者にもおすすめなものとあわせて、その仕事を探せるサイトも紹介します。

①アンケートモニター

アンケートモニターとは、アンケートサイト・アプリからの質問に回答することで報酬を得る仕事です。１件当たりの収益は数円～100円程度ではあるものの、スマホやPCさえあれば誰でも簡単にできます。

【仕事を探せる代表的なサイト】
「マクロミル」
「リサーチパネル」
「キューモニター」

②データ入力・ウェブライティング・ウェブデザインなどのPC作業

副業初心者におすすめなのが、データ入力やウェブライティングの仕事です。ウェブライティングは未経験だと単価が安い傾向にありますが、案件は多くあり、空いた時間を使ってできるのが魅力です。続けるうちに単価が上がることもあり、継続的に仕事を依頼される場合もあります。

またウェブデザインは、ある程度のスキルやセンスが求められ、高機能なPCが必要なこともありますが、ウェブライティングよりも高単価な案件が多く、高収入を見込める場合もあります。

【仕事を探せる代表的なサイト】
「クラウドワークス」
「ランサーズ」
「ココナラ」

③ハンドメイド商品の販売

ハンドメイドアプリやフリマアプリを利用することで、手作りの雑貨やアクセサリーなどのハンドメイド商品を簡単に販売できます。固定のファンやリピーターがついたり、良い口コミ評価が得られたりすることで購入者が増え、収益が安定することもあります。

【仕事を探せる代表的なサイト】
「ミンネ」
「クリーマ」
「メルカリ」

④家事代行・ベビーシッター・飲食店での接客などのサービス業

お客さんと直接関わるサービス業は、人と接するのが好き、「人の役に立っている」と実感したい人におすすめです。最近は雇用契約を結ばずスマホでスポット的に契約できるケースが増えており、より気軽にできるようになりました。

【仕事を探せる代表的なサイト】
「タイミー」
「キッズライン」（ベビーシッター）
「キッズライン」（家事代行）
「メルカリ ハロ」

ニーズ急増中！今注目の副業とは？

数ある副業の中から、最近ニーズが急増しており、副業初心者でもトライしやすいものを選んでみました。高単価な案件の多い仕事もありますので、要チェックです。

①シナリオライティング（ネット脚本家）

Youtubeやゲームアプリなどのコンテンツ作成にあたり、指定された長さや登場人物、話の内容にあわせてナレーションや台本などをテキストで作成する仕事です。一般的なウェブライティングの場合報酬は１文字１円程度が多い一方で、シナリオライティングは１文字２円以上と、ウェブライティングに比べて単価が高い傾向にあります。

【仕事を探せる代表的なサイト】
「クラウドワークス」
「ランサーズ」
「ココナラ」

②ショート動画の編集・作成

YouTuberやVTuberの動画を縦長で約１分のショート動画に編集したり、InstagramリールやTikTok、LINE Voom用にショート動画を作成する仕事です。2023年にYouTubeショートが収益化を開始したこともあり、ニーズは増えています。仕事を始めるにあたってはパソコンや動画編集ソフトなどが必要になり、ある程度の慣れや経験が求められますが、動画編集の経験がある人ならば、そこまで難易度は高くありません。

【仕事を探せる代表的なサイト】
「クラウドワークス」
「ランサーズ」
「ココナラ」

③使わないものを貸す「レンタル副業」

個人間でものの貸し借りができるアプリやサービスを利用して、美容家電やブランド品などの高額商品や車、自転車、駐車場、空きスペースなどを人に貸してお金を稼ぐ「レンタル副業」も、注目を集めています。車や空きスペースなどは利用率が高ければ、月に数万円は稼げることもあります。

【仕事を探せる代表的なサイト】
「アリススタイル」（商品のレンタル）
「monoq」（空きスペースのレンタル）
「anyca」（車のレンタル）
「cycletrip」（自転車のレンタル）

副業を始めようと思ったらまずしたいこと

ここでは、副業を始めるにあたってまずしておきたいことを紹介します。本業の勤務先が副業をどう捉えているかがポイントになります。

①本業の勤務先の就業規則を確認する

副業が可能かどうかといった規定は、就業規則にのっている場合が多いです。また副業をするにあたり届出や許可が必要かどうかについても、就業規則を必ず確認しましょう。会社によっては副業に関する規定がない場合もあり、そういった場合は「副業は基本可能」であると考えていいでしょう。

もし副業が禁止されているのに行えば、懲戒処分を受ける可能性もあります。ただし日本においては、法律で明確に副業が禁止されているわけではありません。
なお公務員は国家公務員法第103条および第104条、地方公務員法第38条によって、副業が禁止されています。

②社会保険や税金の問題をクリアにする

副業先に雇い主がいる場合は、社会保険や税金の問題もあるため、本業の勤務先と副業先に「税金、社会保険などの手続きが必要になる可能性がある」と伝えておきましょう。

③本業の勤務先に副業の申請を行う

副業が認められている場合でも、会社に届け出が必要な場合が多いです。就業規則を確認した上で、必要事項を記載して提出しましょう。

副業をする上で気を付けたいこと

副業をする中でうっかり見落としがちなこと、陥りがちなことがあります。よく注意してください。

①確定申告を忘れない

副業で得た所得（収入から必要経費を差し引いた金額）が年間（１月１日～12月31日）で20万を超えると、確定申告をする義務が生じます。確定申告は、２月16日～３月の間に行う必要がありますので、くれぐれも忘れないようにしましょう。

②本業の仕事に支障が出ないように仕事を調整する

副業に熱中しすぎて本業に支障が出てしまう、本業の勤務先に迷惑をかけることにならないよう、気を付けましょう。副業は、勤務時間以外の早朝や夜間、休日に行う場合が多いと思いますが、働きすぎて体調を崩す、なんてことがないようにしましょう。

③副業詐欺、あやしい副業の勧誘に注意する

副業に見せかけた情報商材やマルチ商法、投資などの勧誘には注意が必要です。「簡単に、短期間で稼げます」といった言葉に騙されないようにしましょう。中には「副業をしたいけど、何をすればいいか分からない」という人を狙い、副業の商材を売りつける業者も存在します。その結果、「多額なお金を取られたものの仕事はない」という状況も起こっています。

※参照サイト・書籍
https://www.freee.co.jp/kb/kb-fukugyou/sidejob_ban/
https://woman.nikkei.com/atcl/column/21/011500066/011500013/
https://woman.nikkei.com/atcl/column/23/122600283/011600003/
https://woman.nikkei.com/atcl/column/21/20210424/102100027/
https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/9161/?ef_id=EAIaIQobChMIkevSq-TyhAMVwGAPAh2UkwTCEAAYBCAAEgJN7fD_BwE:G:s&&vos=evtaynn5000xmt__kw_dsa-1586442507306_dv_m_cr_573926674784_gp_131600793789_cm_15847801334&vos=evpvynn9000xmt__kw_dsa-2271555240643_dv_c_cr_688627566930_gp_155347629022_cm_20968577407&yclid=YSS.1000422648.EAIaIQobChMIkevSq-TyhAMVwGAPAh2UkwTCEAAYBCAAEgJN7fD_BwE&gclid=CKaV2K7k8oQDFRTZhAAdnpIAnA&gclsrc=ds
日経トレンディ2023年４月号（日経BP）