妊活っていつから始めればいい?妊活の基礎知識や気を付けたいことなどを紹介

妊活っていつから始めればいい?妊活の基礎知識や気を付けたいことなどを紹介

「妊活」という言葉はよく耳にするけど、具体的に何を指すのか、何をすればいいのか分からない、という働く女性は多いよう。ですが、「いつか子どもが欲しい」と思っているのなら、妊活についてきちんと知っておきたいものです。
そこで今回は妊活の基礎知識を紹介します。いつか妊娠したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも妊活とは?


妊活とは、妊娠を希望するカップルが妊娠のために行う活動のことを指します。

その内容には、妊娠に向けての健康管理や妊娠しやすい環境づくり、不妊の検査や治療などが含まれます。妊活は女性だけではなく、男性側も取り組むものです。

妊活が必要な理由とは?

「結婚したら自然に妊娠する」「生理が毎月くるから妊娠できる」なんて思いがちですが、実際はそう簡単ではありません。20代~30代前半の健康な男女でも約25~30%程度で、そこまで高い数字ではないのです。

医学的には、女性の妊娠・出産のベストタイミングは20代~30代前半とされています。ただ最近は晩婚が増えている、結婚しても働き続ける女性が多いなどの理由から、35才以降の出産も増えています。

しかしこちらのデータが示しているように、年齢が上がれば上がるほど、妊娠の確率は下がります。だからこそ、妊娠したいという気持ちがあるならば意識的に妊娠を目指す妊活が必要なのです。

いつから妊活を始めればいい?

結婚しているのであれば、妊活を始めるのに一番いい時期は、夫婦が「子どもを欲しい」という思いが一致したときです。

妻の側が早く子どもが欲しいと思っても、夫はまだいらないという場合など意見が一致しない場合は、妊活がうまくいかない可能性が高いからです。またそういう場合に妊娠したとしても、精神面や経済面で子どもを持つ準備ができていない、ということもありますよね。

ただ、最初から夫婦とも妊娠を希望しているのなら、妊娠の確率を上げるためにも妊活は早めに始めるに越したことはありません。

妊活をスタートするうえで、まず取り組みたいこと

【1】二人でしっかり話し合う

妊活を始めるうえで、男性側も妊娠についてきちんと理解し、いつまでに子どもが欲しいのか、妊娠するまでに何をすればいいのかなど、きちんと話し合っておくことが大事です。また不妊治療をする場合は何歳まで続けるかなど具体的なスケジュールを考えておき、お互いの認識が同じになるようにすり合わせましょう。

【2】基礎体温を記録する

妊活においては、妊娠しやすいタイミング(排卵日の1~2日前)を把握しておくことが重要です。そのために基礎体温を記録し、排卵日を予測できるようにしておきましょう。

ちなみに基礎体温は、起床直後にベッドの中ではかりましょう。基礎体温を記録することで排卵日を予測できるアプリもあるので、活用するのもおすすめです。

妊活しているけど授からない…そんなときはどうしたらいい?

日本では、「不妊かも…」と心配した経験のある夫婦は全体の35%(子どものいない夫婦は55.2%)※1というデータがあり、不妊で悩むことは決して珍しくはありません。そういった場合は、どうすればいいのでしょうか。

【1】クリニックで相談する

「なかなか妊娠しない…」と思ったら、まずは産婦人科で医師に相談してみましょう。

妊活に関するアドバイスがもらえますし、もしかしたら自分でよかれと思ってしていたことが妊娠を妨げている、なんてこともあるかもしれません。医師に相談することで妊活をスムーズに進められます。

そして必要であれば検査を受け、子宮や卵巣に異常がないかをチェックしてみてください。なお検査は女性だけではなく男性も受けることをおすすめします。不妊の原因が女性ではなく、男性側にある場合もあるためです。

【2】不妊の検査をする

日本では、不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は全体の18.2%(子どものいない夫婦は28.2%)※2に及び不妊の検査や治療は子どもが欲しい夫婦にとって一般的な選択肢と言えます。

妊活を始めて1年以上経過してもうまくいかないという場合は、男女どちらかの身体に原因がある可能性があります。先ほどのデータにもあるように年齢が上がれば上がるほど妊娠しにくくなるため、早めに不妊の検査を受け、そこで不妊と判断されたら治療を検討してみてください。

※1・2データ参照元:夫婦調査の結果概要:第3章 妊娠・出産をめぐる状況(国立社会保障・人口問題研究所)

不妊治療について

不妊治療は、一般不妊治療と生殖補助医療にわけられます。まず一般不妊治療を行い、妊娠しない場合は生殖補助医療にステップアップするのが通常の流れですが、場合によってははじめから生殖補助医療を行う場合もあります。

一般不妊治療の種類

生殖補助医療の種類

いつか妊娠したい女性が日頃から気を付けたいこと

今すぐ妊娠したいという女性だけではなく、「今すぐではないけど、いつかは妊娠したい」と思う女性のために、日頃から気を付けておきたいことについて、以下にまとめました。

【1】冷え対策

冷えは「万病のもと」と言われますが、妊娠しやすい体づくりにおいても大敵です。

肌の露出度の高い服はできれば控え、冷え性を自覚している場合はミニスカートやショートパンツを素足ではくのはできれば避けましょう。そして夏場は、冷房温度を下げすぎないように注意してください。

長時間の座りっぱなしの姿勢、足を組む習慣、運動不足も下半身の冷えにつながりますので、こまめにストレッチをするなどしましょう。

また食事も冷えに大きく関わってくるポイントです。アイスコーヒーや水などの冷たい飲み物や体を冷やす食べ物をたくさんとると、体を冷やしてしまいます。
つい食べがちなお菓子などに多く含まれる砂糖も体を冷やすため、とりすぎに注意しましょう。

【2】ストレスと上手に付き合う

日常的にストレスが多い生活を送っていると、妊娠しやすい体から遠ざかってしまいます。とはいえストレスのない生活は難しいため、ストレスと仲良く付き合っていけるようにしたいものです。

ストレスの解消法を見つけておく(友達とのおしゃべり、趣味に没頭するなど)、朝は早く起きて夜ふかしをせず規則正しい生活をする、オンとオフを切り替えるなど、無理のない範囲でいいのでできることに取り組んでみましょう。

【3】葉酸を摂取する

妊活するうえで、栄養バランスのとれた食事をすることは大事ですが、栄養成分の中でも特に意識してとりたいのが葉酸です。葉酸とは緑黄色野菜の中に多く含まれるビタミンB群の一種で、人間の体を構成する細胞が分裂、増殖するうえで重要な働きをしています。

葉酸を摂取することで流産や早産、赤ちゃんの先天性異常のリスクを減らすことができるため、妊娠したい女性、妊娠中の女性は積極的にとりましょう。

ただ葉酸は熱や光に弱く、水に溶けやすいため、食事だけ必要量を摂取するのは難しいのが難点です。そのため、葉酸のサプリメントを活用するのがいいでしょう。

なお葉酸は、貧血や口内炎などの予防にも良いため、妊活をしていなくてもとっておきたい栄養成分と言えます。

妊活中に避けた方がいいこと

妊活中だからといって神経質になる必要も、何か特別なことをする必要もありません。しかし妊娠率を下げたり、妊娠してもお腹の赤ちゃんに良くない影響がある可能性があることもあります。以下、当てはまるものがあれば、改善してみましょう。

【1】喫煙

タバコを吸うことで卵子の質が低下し、女性ホルモンや卵子の数が減ることにつながります。また万が一妊娠したことに気付かず喫煙をしてしまうと、タバコに含まれる有害物質のせいでおなかの赤ちゃんに影響が届きにくくなるという弊害もあります。そして男性の側も喫煙することで、精子の質が悪化し濃度も低くなります。

いずれにせよ妊娠したら喫煙はできないため、妊活中から禁煙に取り組みましょう。

【2】痩せすぎ・太りすぎ

極端なダイエットや太りすぎも、不妊の原因になることがあります。痩せすぎた結果月経が止まってしまったり、無排卵月経になることがあるのです。

また太りすぎも注意が必要です。脂肪が増えすぎると、エストロゲンが蓄積されて生理が起こりづらくなるためです。

妊活においては、美容体重ではなく健康体重をキープするよう心がけましょう。

【3】カフェインのとりすぎ

「妊娠したら、カフェインをとりすぎるのはよくない」ということは知られていますが、妊活中もカフェインのとりすぎには注意しましょう。カフェインをとりすぎると利尿作用で体を冷やし、卵巣の血流を妨げることにつながり、妊娠率が低下するというデータもあります。

なお世界保健機関(WHO)では、妊婦はコーヒーを1日3~5杯までにするよう呼びかけています。

まとめ

いざ妊活を始めてなかなか妊娠しないと、落ち込んだり、周りの人たちと比べてしまう…ということがあるかもしれません。しかし焦らず、自分たちのペースで妊活することが大切ですし、それが結果として妊娠の確率を上げることにつながります。

無理せず、できる範囲で妊活に取り組んでください。

※参照記事
日本の「妊活」 不都合な真実(鳥取大学医学部付属病院広報誌)
生殖医療Q&A(一般社団法人日本生殖医学会)
カフェインの過剰摂取について(農林水産省)
喫煙と不妊治療・喫煙と妊娠について①(医療法人令和会 徳永産婦人科)
妊活準備って何をしたらいいの?妊娠するためにまず気をつけること(PAIRCARE)

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