台湾の漢方文化を日本へ。女性に「気持ちいい」瞬間を届ける DAYLILY共同創業者・CEO、小林百絵

台湾の漢方文化を日本へ。女性に「気持ちいい」瞬間を届ける DAYLILY共同創業者・CEO、小林百絵

work style生活の中にある店舗にこだわり、日本各地に出店

――最初のお店が台湾なのはなぜですか?

DAYLILYのアイデンティティが台湾にあることが、すごく重要なことだと思ったんです。私たちは台湾の漢方のスタイル、つまり、日常に溶け込んでいるという状態を作りたいと思っていたので、日本発のブランドではなく台湾から生まれたブランドであることが重要なキーだと感じていたんです。

――台湾でお店を経営することの難しさはありませんでしたか?

中国語はちょっとした日常会話くらいしかわかりませんでしたが、言葉の壁よりもコミュニケーションの取り方の違いが難しかったですね。日本では自分の思いを直接的に伝えないことが多いですが、台湾ははっきり伝える文化なので、慣れるまでは難しかったです。

「漢方をリブランディングするためには、デザインも重要だと考えました。日本ではまだ漢方との距離があるので、それを乗り越えられるような『かわいい』『気分が上がる』『楽しそう』と感じられる商品にしたくて、そんなデザインができるデザイナーさんと一緒にやりたいと思いました。」

――その後日本での展開はどのように?

最初の1年間は台湾だけで店舗を展開し、2019年の末頃に日本の一号店をオープンしました。誠品生活という台湾の書店がCOREDO室町テラスに出店するタイミングで、一緒に出店しないかとお声がけをいただいたのがきっかけです。COREDO室町テラスがニューオープンのタイミングだったのでメディア取材も多く、施設自体の来場者数も多かったので、一気に勢いがつきました。ただそこから半年も経たないうちにコロナ禍になってしまい、一旦売上はオンラインがメインに。今では外に出ることが当たり前に戻ってきたので再び店舗を増やしてはいるのですが、一気に店舗を増やし過ぎてしまったという反省があります。

――うまくいかなかった理由は?

DAYLILYは路面店ではなく、普段お買い物をするところにお店を構えたいと考えているので、商業施設に出店しているのですが、意外と知っているお店にしか入らないという方が多いと感じました。私自身は興味を持ったら知らないブランドだろうと入ってみるのですが、みんながみんなそういうわけではなかったんですね。何かで見たとか知ったとかじゃないとわざわざ足を運ばないですし、見かけたとしてもなかなか来店や購入に至らないことが多かったんです。商業施設への出店なので固定費も高く、一度店舗数を減らしてやり方を変えました。

ただ私自身、DAYLILYというブランドにおいてはリアルな店舗があることがすごく重要だと思っています。台湾には漢方薬局がたくさんあって、いつでも寄れる雰囲気があります。だからDAYLILYも日常の生活圏内にお店があることで、始めてみようと思うきっかけができたり、自分の健康を見守ってくれる安心感を得られたりすると考えています。その環境を日本で実現したいので、今はブランドの認知を広げながら、少しずついろんな場所で出店を計画しています。

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