シンガポールと日本の二拠点生活!日本企業4社で働きながら今年海外でも起業したバリキャリママ コンサルティング会社経営・斉木愛子

シンガポールと日本の二拠点生活!日本企業4社で働きながら今年海外でも起業したバリキャリママ コンサルティング会社経営・斉木愛子

turning pointお金を得るだけではない、斉木さんなりの働くことの意義

――ご自身のビジネスの原点となっている経験はありますか?

もともと母子家庭で、中学を卒業してすぐにアルバイトを始めて、今に至るまで産休中以外は働いていない期間はないんですね。高校生のときは3つほどアルバイトを掛け持ちしていて、いろんな仕事をするのが楽しかったですし、働くことで自分がレベルアップしていることが生きがいのようにも感じていました。大学の学費やMBA費用も全部自分で工面した経験もあり、精神的にも経済的にも誰かに依存しない、自立した生き方の価値観が確立されたのだと思います。

よく「旦那さんもバリバリ働いていてそれなりに収入もあるのに、なぜそんなに働くの?」と聞かれることもあるのですが、私の場合はお金が目的ではなくて、働くこと自体が生きることにつながっているので、結婚して夫がいるから頼ろうという感覚は一切ありません。働くことで社会と接点を持つことが生きる根底というか、労働やビジネスは私の人生の根本のような気がします。仮に億万長者になっても何かしらビジネスをしてると思いますね。

――仕事をする上でのこだわりやマイルールを教えてください。

「外部環境を理由にやりたいことを諦めない」ということです。今までのキャリアや生きてきた環境の中でいろいろな壁がありました。例えば幼少期だと、両親が離婚してからは母のパート代だけで生活していたので、光熱費が払えなくて一時的に電気が止まることもありました。それでも自分の将来を諦めたりせずに、逆に母親を経済的に豊かにしてあげたいという思いで働き始めましたね。「お金がないから大学に行けない」じゃなくて、高校卒業した直後は就職して一年間働いて入学金を貯めて一年遅れて大学に入学しました。今の海外生活でもそうで、駐在妻はビザの関係で働けないことが多いんですけど、ビザを切り替えて働いたり、フルリモートの働き方を獲得して働きやすい環境を整えたりと行き詰まった先で道を切り拓いています。外部環境でいろいろな制約が出てくることは今後もあると思うんですけど、やりたいことを諦めずに打開策を常に考えているというのがマイルールですね。

困難をポジティブに乗り切るために、意識していることは?「愚痴を言わないこと。もともとネガティブ思考だし、嫌なことやストレスを感じるようなことも日々ありますが、愚痴を口に出した瞬間、自分の耳から脳に余計すりこまれて余計不幸になる気がするので嫌な考えにとらわれてもあまり口に出さないようにしています」

――転機になった出来事を挙げるとすれば、どのような出来事が思い浮かびますか?

夫と結婚したことです。夫は海外志向があり、海外で暮らしたいとか、子どもの教育は海外でと考えている人。私にはそういった志向はなかったですし、英語も得意ではないので、夫と結婚しなければ今の働き方をしていなかったと思いますね。

――斉木さん自身、もともと結婚や出産の願望はあったのでしょうか?

ありました。私は両親が離婚していることもあり、結婚や出産を経て自分の家庭を持つことへの憧れが強かったと思います。いくら仕事で自己実現できていても、結婚や出産については別軸で考えていました。女性の場合は子どもを産む適切なタイミングは変えられないので、逆算して、パートナーがいないときはスプレッドシートを作って、いつまでに付き合う、そのためにどうやって接点を増やすかということまで具体的に行動に落とし込んでいたくらいです(笑)。その中で夫とは友達として長い付き合いがあったのですが、夫がシンガポールに転勤になるというのを聞いて私から付き合わないかと伝えて今に至るという感じですね。

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