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turning point産休明けの上司の退職…ライフイベントの壁
――尾崎さん自身のこれまでの歩みについて。起業前はどのようなお仕事をされてきたのでしょうか。
新卒でスタートアップに入って、人材営業を2年ほど担当したのち、社内異動という形で人事にキャリアチェンジをし、採用や採用広報を担当しました。もともと女性の人事部長の方がいたのですが、異動して間もなく産休に入ってしまい、いきなり一人人事に。そのため社内の研修や採用、リーダー・マネージャー面談や360度評価など、社長の直下で様々なことを経験させていただきました。
また、その社長がすごく熱量高く働く人で、「大人になってもこんなに熱量を持って働けるのってすごくかっこいいな」と感銘を受けました。私も人生をかけてできる仕事をしたい、事業を作りたいと考えるようになりました。起業という選択肢が生まれたのはその時期かなと思います。
――人事にキャリアチェンジしたのはどんな経緯があったのでしょう?
当時の会社のことが大好きだったのと、私が会社設立一年くらいで入社しているので変遷を知っているからこそ、社外にもっと良さを伝えていきたいなと思っていて。人事は採用候補者とも対外的に話すので、興味がわき社内異動の希望を出しました。
――そんなに大好きな会社なのに、どうして独立しようと思ったのでしょうか。
先ほどもお話しした、上長が産休に入った話が関係します。その方がすごく仕事が好きな方だったので、3か月程度で職場に復帰されました。でもスタートアップ企業なので日々膨大なタスクと業務スピードを求められ、制限がある中で働きづらくなってしまって、結局転職されていきました。そのときに初めて、女性にとってライフイベントが壁になることがあるんだということに気付き、当時私も結婚したばかりで、自分のためにも働き方を考えていかなければいけないと思いました。
これを救うサービスはないかと調べたのですが、キャリアの事例やヒントを取れる場所は見つからなかったんです。それなら作ろうと考え、まずは準備期間としてフリーランスになりスタートアップの採用支援を始めました。新卒入社した会社しか知らなかったので、もっといろんな会社を見て、スタートアップの課題や他の女性がどうしているのかを知りたくて。その後COREを起業しました。

仕事をする上でのこだわりは?「生の声を自分で拾いに行くことは大事にしています。自社で開催するイベントもそうですが、他社で開催している女性起業家向けのイベントに足を運んだり、そこでコンタクトを取っています。創業初期からずっとですね。」
――起業しようと思ってから、どんなことから着手しましたか?
まずはプロダクトを作ろうと思い、YouTubeを見ながらノーコードでCOREのベータ版を作りました。一定のユーザーが集まって、マッチングもちゃんと起きていることがわかったので、デザインを整えて本リリースへと準備を進めました。実はその際にCOREで出会った人がディレクターとして入ってくれています。
――サービスが軌道に乗るまではどのくらいの期間がかかりましたか?
2024年の4月にベンチャーキャピタルから調達をしたのですが、それまでの一年半くらいは大変でした。自己資本でやっていましたし、マネタイズもできず、このサービスは誰にも使われずに伸びないんじゃないかという不安はずっとありました。調達ができてからは毎週のイベントを始めて、そこから積み重ねで登録者も増えてきていました。イベントに来てくださった方が友達を連れてきてくれたり、知り合いに口コミで広げてくださったり、まだまだこれからですが、最近はじわじわと伸びてきている感覚があります。