子育て世帯の新しいインフラを目指して 株式会社iiba代表・逢澤奈菜

子育て世帯の新しいインフラを目指して 株式会社iiba代表・逢澤奈菜

20代前半での出産・育児の経験で “孤育て”の大変さを感じ、より便利に子育てができるツール「iiba」を開発した、株式会社iiba代表取締役CEO・逢澤奈菜(あいざわ なな)さん。起業までのヒストリーとともに、女性の社会進出のために必要なこと、そのために逢澤さんが取り組んできたことについても伺いました。

【逢澤奈菜プロフィール】
年齢:30歳/職業:株式会社iiba代表取締役CEO/家族構成:既婚、子ども二人(6歳・4歳)
insta @nana_iiba
X @nanaizw

topics子育てに「良い場所」がわかるマッププラットフォームを作る

――株式会社iibaの事業内容を教えてください。

現在は3つの事業を展開しています。ひとつめが、子育てに特化したマッププラットフォームアプリ「iiba」の運営です。二つめが自治体さんの子育てマップのDX。そして三つめは主に大企業をメインのクライアントとする子育て世帯向け広告事業です。

――アプリの「iiba」について詳しく教えていただけますか?

子連れにいい場所がすぐにわかるマップアプリです。子どもが生まれると、外出するにもどこに行けばいいのかわからない、行った後も授乳室はあるのか、ご飯はどうすればいいかというような悩みが出てきます。iibaにはママパパたちが実際に利用してよかった情報だけがシェアされているので、お出かけする前やお出かけ中に周辺情報を探すことができ、子どもと一緒に楽しんでもらうことができます。

「京都府など一部地域では、子育て特化のクーポンも利用可能。ジュースが無料になったりお買い物の割引があったり、使えるお店が府内に6,000か所掲載されています」

地域ごとにインフルエンサーやママさんたちが情報を更新してくれるので、雑誌には載ってないような、子どもが一緒に入っても大丈夫な雰囲気かどうかとか、このお店は店員さんが子どもに配慮してくれるというような情報も載っていますね。iibaには良い場所だけを載せようというサービスコンセプトがあって、ユーザーの方もその空気感の中で利用してくださっています。

――起業をしたのはどのようなきっかけがあったのでしょうか。

まさに自分が子どもを産んで困ったからということにあります。私は関西出身なので、東京に友達がそれほど多くない中で結婚して子どもを産んでいるのですが、「孤育て」と言われるように、何もわからず自分で頑張って調べなきゃいけない状況にすごく孤独を感じて。不安がいっぱいで家に引きこもってしまい、鬱々としてしまうこともありました。

そんなとき、ちょっとカフェに行ったりコンビニに行くだけで、社会と触れられる感覚になるんです。一歩外に出てお散歩するだけでも気分が晴れるんですよね。ただ、子どもがいると行く場所を調べることに時間を使ってしまう。だからマップに情報が集まっているサービスはないかと探したのですが、満足いくものがひとつもなくて。これは欲しいサービスを自分で作ろうと思い、iibaを作り始めました。お出かけへの敷居を少しでも下げたいなと思ったのがきっかけです。

1 2 3 4

ranking