きっかけはX、時短ワーママが経営者になった理由 株式会社AZTORY代表・田中葵

きっかけはX、時短ワーママが経営者になった理由 株式会社AZTORY代表・田中葵

turning point大きく価値観を変えたXとの出会い

――とはいえ、3年前となるとお子さんが1歳と3歳、起業と子育ての同時進行は大変ではなかったですか?

大変でしたね。なので、意を決して夫に仕事を辞めてもらいました。選手交代という感じで(笑)。夫の協力がなかったらできなかったと思います。今も夫は専業主夫をしながらボクサーをやってます。

――収入が一馬力になることに不安はありませんでしたか?

ノリと勢いでしたね(笑)。もともと夫は日本一の営業マンで稼げるタイプの人だったんですけど、時間的な縛りが厳しかったり、子どもと触れる機会がないことがかわいそうで、本人もキツイ時期だったので「辞めちゃえば」と。あ、言っちゃった、みたいな感じでした(笑)。自分もそこまでしないと腹が括れないと思っていたので、自分のために言ったというのもありますね。

――独立しようと思ってから、どんなことから手を付け始めましたか?

企業人事時代からやっていたことですが、Xでの発信はずっと続けていました。それまでは会社のことを発信していましたが、独立してからは自分の価値観や自分の考えを発信していくということに力を入れています。

――手応えはどうでしたか?

共感してくれる方がすごく増えました。特に2期目からはぐっと伸びたと感じます。ブランディングの領域はどこがゴールかがわかりづらく、独立した3年前はまだ企業の中でも優先度が低い分野だったんですね。でも自分の思いや採用広報の本質的な意味とは何かなど、自分が信じていることを発信し続けることで、今はご紹介とXだけでビジネスが成り立っていて、広告費はゼロなんです。お客様もそうですし、一緒に働いているメンバーもほとんどXから参画してくださっているので、それが成果かなと思います。

――転機になった出来事を一つ挙げるとしたら、どんな出来事でしょうか。

やはりXを始めたことで人生が変わったと思います。独立するきっかけをくれたり、共感していただいてお仕事をいただけたり、今のメンバーとの出会いもあったし、新しいビジネスのきっかけにもなったりしているので。Xをやっていなかったら独立しようという踏ん切りもつかなかったと思いますし、自分の価値観がすごく広がり、ただの時短で働くワーママだったところから環境が一気に変わりました。

Xを始めたのは2021年から。「人事・広報界隈にXをやっている方が多く、最初は情報収集として。見ているうちに潜在層に情報を届けていく重要性に気付き、自分でも認知拡大のために発信することにしました」

最初にバズったのは、くだらない投稿なんです(笑)。とんがりコーンを指先につけて魔女みたいにして「これをやったことある人、手挙げてください」という投稿に5,000くらいいいねがついて。後にとんがりコーンの人事さんとか言われるようになって、そこから会社のことを知ってくれる人も増えました。私を知ってもらうことができればその背景にある会社を知ってもらうことができると、ベンチャーでも認知を広げられる方法がここにあるということに気付いて、そこからハマっていったんです。

――その後Xを運用する上で意識したことなどはありますか?

基本的には地道に1日3投稿したり、伸びやすい時間帯をリサーチしたり、アルゴリズムを研究して伸びやすいポストの仕方を考えたりしていました。バズを通してハマったものの、重要なのは“ステークホルダーとの対話を構築すること” というのも自分の軸になってきて。ただ発信するだけではなくて、そこにいる界隈の人たちとコミュニケーションを取ることでアカウントがアクティブになっていき、1か月で1,000フォロワーずつ伸ばしていけました。

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