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work style自律神経を整えることで顧客が増加
――その後鍼灸師になり、起業したタイミングはいつ頃だったのでしょう?
鍼灸師の免許を取ったあとは、鍼灸院で週2、3回アルバイトをさせてもらって、残りの時間は東銀座のレンタルサロンを借りて友達の施術をしていました。ハリッチを作ったのは、半年から1年弱くらい経ったときですね。
――実際に施術をしていく中で、一人でもやっていけるという確信が生まれた?
正直そこまでの確信はなかったんですけど、お客様が増えていく手応えは感じていました。体調を改善して肌を良くするような美容鍼灸を実施することでわかったのですが、本当に多くの方が自律神経失調症だったんですね。なのでこの手法が現代人に刺さったようで、お客様のご紹介がすごく増えていったんです。
それと、ハリッチの一号店ができるきっかけになった出来事があって。銀座一丁目のコスミオンビルで16年間ご夫婦で営業されていた平田鍼灸院さんというところがあって、ご夫婦が香川県に引っ越すので私の友達がその場所を借りて開業する予定だったのが、できなくなってしまったという相談を受けまして。それで良い機会だから私が代わりにやってみようと思いました。設備もそろっているし、顧客も増えてきてレンタルサロンでは限界を感じていたので、ちょっとここでやってみようと。

お仕事ルールは?「物事がうまくいかないときは生活の質を整えることと、社員やお客様には絶対嘘をつかないこと。嘘をついて苦しいのは、自分のことを好きじゃなくなること。嘘をついて大失敗してきた昔の自分に戻りたくないので、真逆を生きています」
――独立して不安なことはありましたか?
いや、不安しかなかったです(笑)。設備投資のお金はかからなかったのですが、家賃にまず驚愕しました。それとベッドが5台あったので、一人では運営しきれないため仲間を探す必要があって。まだ免許を取って半年だし、人が見つかるかということは不安でしたね。鍼灸専門学校時代の知り合いをスカウトしてなんとか。逆に、私自身鍼に通って体調が良くなった経験があったので、どうやったら治るかとか、どういう考え方をすればいいのかは自信があったので、メニュー作りはすんなりできました。
――売上はどのように軌道に乗っていきましたか?
実は最初、もともとの鍼灸院についていたお客様の来店に期待していたんですけど、経営者が変わったことで離れてしまって。やっちゃったなという感じでした。これは自力で増やすしかないと。だからそこで決めたのは、一人の新規のお客様から最低三人はご紹介をしてもらおうということ。もちろん喜んでいただいた結果、ご紹介をしていただくんですけど。続けたいという方はスタッフさんに任せるという仕組みを作って、新規顧客をとにかく増やしていきました。ただ、これは思ったよりもすぐにできました。美しくなりながら、自律神経の調子を良くできるお店や不眠を治せるお店ってほかにはないので。