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work style社会が不安定になり女性側にしわ寄せがいくという現実
――やまざきさんもエンジニア経験があるのでしょうか?
いえ、私はエンジニアではありません。IT業界出身で、新卒入社したのはサイバーエージェントという会社です。当時アメブロ事業を黒字化させるというタイミングで、藤田晋社長の直下に配属していただいて、アメーバピグという仮想空間の先駆けとなるサービスを新卒2年目で立ち上げて、多くの人に使っていただく経験をしました。
サイバーエージェントは7年くらいで退職して、次は動画市場が盛り上がってきたので、LINEを退職された森川亮さんが立ち上げたC Channelに立ち上げから数か月編集長として入らせてもらって。その後はスタートアップの会社に関わったり、自身でもPRやマーケティングの事業をしたりしていました。
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「キャリアをポジティブに捉えられている一番ラッキーな原因は新卒でIT業界に入ったこと。藤田社長曰く、IT産業のように伸びている業界に身を置くということは、上りのエスカレーターに乗ることと同じ。どのエスカレーターに乗ればいいか学校では教えてくれないので、そのエスカレーターに乗る女性を増やしたい」
――そこからどのような経緯でMs.Engineer株式会社を立ち上げたのでしょうか。
コロナ禍で私自身仕事が結構なくなったりして暇になったタイミングがあったんです。さらに、コロナ禍での女性の失業率が男性の3倍高いというデータに衝撃を受けて。社会が不安定になると、日本の場合は働く女性側にしわ寄せがいくんだなということを実感しました。時間もあったし、何か自分にできることはないかと事業アイディアを考え始めて、今の事業に行き着いたんです。
――じゃあもともと起業したいとかこの事業をやりたいというよりは。
そうですね。この事業は私がやるしかないというような使命感が先にあって、やりたいという思いから始めたわけではなかったです。最初は教養やリベラルアーツの方面で考えていたのですが、アイディアの種を先輩や投資家さんなどに相談しているうちに、今の形に。
――これまではコンテンツに関わるお仕事をされていることが多かった印象なのですが、やまざきさん自身も新たな挑戦だったのでは?
そうですね、これまでの仕事はメディアをやったり動画などのコンテンツをやったり、CtoCのサービスに関わったこともありました。私の感覚としては、そのときに伸びているドメインが何かということを気にしながら仕事にしてきたという部分が大きいです。何がやりたいというよりは、新しいことに挑戦したり、伸びているドメインのところで新しいものを生み出すことが好きなんです。
――実際に事業がスタートして、利用者の反響はいかがでしたか?
立ち上げ当時は自己資金で、検証のような形でクラスを開いてみたら満席になったんです。それでうまくいくのではと思い、資金調達して。初期の頃は広告もそれほどやらずに人が集まってきたのですが、どうしても伸び悩む時期がありました。というのも、Ms.Engineerではちゃんとお給料が上がるレベルのしっかりしたプログラムを提供することにこだわっているので、どうしても受講料が高くなってしまうんです。今の日本の女性はまだ可処分所得が高いわけではないので、個人負担を下げなきゃいけないというところがずっと課題で。2024年の頭に経産省と厚労省の認可がおりて8割給付が出るようになったので、今また受講生の数も伸びてきました。