35歳で会社員を辞める。副業から独立へ ADDIXY株式会社代表・堀内咲季

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turning pointhydeをきっかけに自分の本当の気持ちに気付く

――これまでに転機になった出来事を挙げるとしたら?

ふたつあるのですが、ひとつの大きな転機としては、私L’Arc~en~Cielの大ファンで特にhydeさんが大好きなのですが、2019年頃にhydeさんがソロ活動を再スタートするということになって。その時期は好きな音楽もあまり聞けていない時期だったのですが、ライブの情報をキャッチしてふと行ってみたんです。そうしたら熱心にハマっていた時期の気持ちをすごく思い出しました。もともとこういう音楽が好きだったし、尖った服装が好きだったのに、最近はまわりから印象がよく見られることだけを意識している自分にも気が付いて。それは服装だけでなく生き方にも影響していて、すっかり丸く生きてしまっていました。もっと自分を取り戻したい。その気持ちに気付いてからは好きだった音楽も聴けるようになり、服も自分らしく選べるようになり、仕事でも自信を持って発言できるようになっていって。そういう自分らしさの軸があることは生きる上で大事だということに気が付いたのは、転機になりましたね。そういう思いがブランドのコンセプトにもつながっています。

――もうひとつのほうは。

モデルの仕事をしていたときに、だんだん30代のママ役を求められることが増えてきて。もっと見た目を寄せるように事務所から言われたことがあったんですね。広告ではそういったイメージを表現することが大事なのはわかりますが、ママだからこうだよね、30代の夫婦はこんな感じだよね、という社会の枠にはめられるのが嫌だなと思ってしまいました。その枠を壊す仕事をしたいなと思ったので、モデルを辞めて作る側に移行したというのもひとつのきっかけですね。

「今はアパレルを作っていますが、いろんな人の力を借りて何かを作るということは、ほかの仕事とも共通していると思います。前職のリクルート時代のプロジェクトマネージャーの経験が今も生きていますね」

――お仕事をする上でのマイルールがあれば教えてください。

会社を辞めてからは、午前中はなるべく打ち合わせを入れないようにして、自分の時間にすることに決めています。今日やることを整理したり、時間をしっかりとって考えたい仕事や中長期的に取り組みたいことを考えるようにしていて。例えば打ち合わせと打ち合わせの間に1時間空いたとて、「じゃあ未来について考えるか」とはならないじゃないですか。朝は私的にゴールデンタイムというか、脳が一番力を発揮する時間なので、元気なうちに頭を使うようにしています。

それと、自分が得たいことを受け取るだけの関係性で人に会わないようには気をつけています。自分でブランドをやっていると、「こういうときどうしたらいいんだろう」と誰かに頼りたくなるときがあるのですが、私が相手に何かを与えられないのに、自分だけ教えてくださいの姿勢で関係値がない人に聞いていくことは、相手にとってメリットがなく時間を奪うだけで失礼なので、しないようにしています。逆に、アプローチするときは必ずこちらから相手に何を与えられるかを考え、準備してから臨むようにしています。

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