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work style「楽園のようでした」産後をリゾートのように楽しむホテル
――その後産後ケアホテルである「マームガーデンリゾート葉山」を立ち上げたのはどういった経緯なのでしょうか。
一番上の姉が出産をしたときに産後ケア施設を使ったのがきっかけです。私も姉とその子どもに会いに施設に行ったのですが、そのときにすごく弱っている姉の姿を見て驚いて。私が知っているそれまでの姉は、仕事も出来て精神的にも強い女性だったので、出産がこんなに大変だということを知るには充分な出来事でした。保育園で園長をしていましたが、子どもが保育園に通えるようになる頃にはママさんたちはある程度回復をしていますし、会話の中心もお子さんのことに関してなので、出産直後の女性がこんなにダメージを負うということを目の当たりにすることがなかったんです。
また産後ケアというジャンルがあることも、このときに初めて知りました。NSグループでは独自の戦略として「日常の‘ハレ’の日を作る、0歳から100歳までのヒューマンハピネスプロバイダー」を掲げていて、事業を通して様々なシーンでどの年齢の方にも幸せになってほしいという思いがあります。出産・産後でこれだけ困っている人がいるなら、サービスとしてもっと世の中に充実するべきだと思いましたし、飲食と宿泊と保育を提供しているという点でNSグループの事業とも通じる部分があると思い、産後ケアホテルを作ろうと思いました。
――マームガーデンリゾート葉山はどんな特徴がある施設なのでしょう?
産後ケアホテル自体はマームガーデン以外にも首都圏を中心に世の中に少しずつ増えてきましたが、リゾートと産後ケアを掛け合わせているというところが特徴になります。まず葉山にあるのでロケーションがとても良いです。海に沈みゆく夕日を見ているだけで感動されるママさんたちも多いんです。ほかにもお食事やスパやカラオケ、上のお子さんと遊べるスペースもありますし、リゾートのようにゆったり過ごしていただけます。「楽園のようでした」と言ってくださる方もいらっしゃいましたね。
――どのくらいの期間宿泊されるのでしょう?
出産してからのタイミングによりますが、産後一か月以内で使う場合は10泊からの受け付けになっていて、平均ですと16日ほど滞在される方が多いです。産後の体はダメージを受けているので、体力を回復してもらいながら、安心して育児のスタートを切ってもらいたいと思っています。
産後一か月以降になると2泊から使うことができて、ご自身のリフレッシュはもちろん、お子さんとの初めての旅行として利用される方もいます。出産直後に泊まったあとに、3週間後くらいの予約をまた取っていく方も多いですね。家に帰って育児をしている中で大変なことも多いじゃないですか。でも「あと数日頑張ればマームガーデンに行ける」という目標ができる。育児はゴールがないので、そうやって自分の中でゴールや目標を作ることもすごく大事だと思っているので、このようなプラン設計になっています。