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turning point思い立って半年で世界一周へ出発!
――そもそも世界一周をしようと思ったのはなぜですか?
前職は通販系の会社で女性も多く、産育休も取りやすい環境だったのですが、肩身狭く復帰する先輩の姿を見ていて違和感を感じたんです。子どもを産んで管理職を続けるのは難しいし、実際に管理職として活躍しているのは独身の方が多く、子どもを産んでも当たり前に働き続けることができるわけではないと感じて、3年ほど働いて退職しました。
ところが仕事でお世話になった人と話したときに、「やりたいことがあってその会社に入ったのに、世間がどうだからとか制度がないからというのを言い訳にして自分の将来を決めちゃうのは、逃げじゃない?」と言われてすごく悔しい気持ちになったんです。このまま中途半端なことをしていたら望まない自分になってしまうと思い、これまで先延ばしにしてやっていなかったことの中で一番大変なことをやろうと思ったんです。そんなときに本屋で世界一周の本を見た瞬間に、「あ、世界一周だ!」と。
――そこからすぐ世界一周へ?
そうですね。準備期間は半年くらいだったので、まわりのみんなは結構びっくりしていました(笑)。世界一周航空券みたいなものもあるのですが、私はそれを使わずに全部自分でブランニングして航空券も取って。
――世界一周に行った前とあとでは気持ちの変化はありましたか?
もう帰ってくるときには今の事業がしたいという思いになっていました。ただその方法は起業とは決めていなかったので、まずは思い描いている事業をやっている会社がないか探しました。展示会の施工会社でそういう業務をやっていると聞きつけて、求人が出ていたわけでもないのに「やりたいです」とメールを送り付けて、最初はフリーランスで仕事をいただけるようになって。やりながら起業の仕方を模索して、半年くらいで軌道に乗ってきたので独立したという経緯があります。
――起業してみて、どんなことが大変だと感じましたか?
起業したばかりの頃と今とでは大変なことの質が違うなと思っているのですが、最初に大変だったのは、全部自分でやらなければいけないというところでした。人を雇う金銭的な余裕がないので、寝られないぐらいがむしゃらに働いていたんですよね。今はスタッフ10名ほどのチームでやっているのですが、私が方向性を定めて、それをスタッフの子たちに展開して動いてもらうという部分では、必要なスキルが全然違うなと感じます。
そして今の段階にシフトしていくときに一番悩みましたね。1、2年くらいうまくいかずスランプを感じていました。特に日本には女性の管理職の割合が特に少ないですし、同世代となるとさらにいなくて。誰にアドバイスを求めていいのかもわからず、難しかったです。