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work style生まれた場所が違うだけで機会に差ができるという現実
――起業のきっかけは?
きっかけになったことは二つあって。一つは、起業する前にバックパッカーで世界中を回ったことです。50か国以上渡航して、100か国ほどの国籍の方と交流しました。その経験を通して気付いたのが、どれだけ能力がある人でも、どれだけ頑張っている人でも、機会がないために損をすることがあるということ。それまでの私は、大学受験も就職も自分が頑張ったおかげで順調にいったと思っていたのですが、そうではなく生まれた場所や国籍で、能力に関わらず機会が制限されてしまうことがあるのです。
私にはインド人の友達がいるのですが、「君みたいに海外の国にいろいろ行けるようになりたい」と言われたことがありました。何も知らない私は、「お金を貯めて勇気とパスポートがあればどこでも行けるよ」と答えてしまったのですが、「僕はインド人だから行けない」と言われたのです。日本人は、日本に生まれたというだけで、ビザなしで190か国近くの国に行くことができるのに対して、インド人は50か国ほどしか行けない。能力や努力は何も関係なく、生まれた場所が違うというだけで、3、4倍の機会の差があるんです。
――そうなんですね。
私が逆の立場だったら嫉妬したり、悔しいとかネガティブな気持ちになっていたと思います。別の友達にも「僕たちにはチャンスがないけれど華子にはチャンスがあって頑張っている。自分にはできないことだから応援したい」と言われて、自分が世界一周を達成したらこの人たちに恩返ししないといけないと、そのときに思いました。

「日本という恵まれた環境にいるのに、何もできていないというのがすごくつらいと思いました。私が今すぐビザを発行したり法律を変えることはできないけど、できることからやっていこうと起業をすることに」
――もうひとつのきっかけは。
二つ目は派遣の仕事をしていたときに、イベント業界で知り合った子が言った言葉です。彼女はレースクイーンとして活躍をしていたのですが、休憩中に話していたときに「私たちはみんな使い捨てだから、早く足を洗ったほうが良い」と言われたんですね。確かに派遣の業界はステップアップが望めないですが、一方で単発でしかできない素敵な経験もあって、私はすごくこの仕事が好きだったので、その一言がショックでした。彼女もすごく努力して活躍しているのを知っていたので、彼女にそういうふうに思わせてしまうのは、業界の構造に問題があるのではないかと思って、何か変えられないかなと思ったんです。
そこで考えたのが、本当は英語や中国語もしゃべれるのに、居酒屋やコンビニで日本語だけで仕事をしているような外国人のスタッフを活用すること。この派遣の仕事だったら語学ができる人として評価してもらえるし、良い賃金を渡すこともできるし、チャンスを作ることができると思いました。まずはLINEグループを作って、ホームページやロゴも全部ひとりで作って、この事業を始めました。