目次 [閉じる]
work style効率化と人に任せることで、新しい刺激を得る余白を作る
――黒石さんのお仕事はアイディアを出すことが多いと思うのですが、アイディアの着想はどこから得ていますか?
常にアンテナを張っています。それは服だけじゃなく、経営の仕方であったり、人の動かし方という部分でもそうです。ヴィンテージショップに行って「この仕様かわいいな」と思うこともあれば、講演会に行ってほかの経営者の意見を聞いてインスピレーションを貰ったり、アニメから人の動かし方の気付きを得ることもあります。日頃の生活の中に落ちているヒントを常に拾っている感じです。そして「これいいな」と思ったら、古くなる前にすぐ会社のみんなに言って行動するようにしています。
――あえてインプットの時間をとるというよりは、偶然出会っていくものを大事にしている?
そうですね。私自身好奇心が旺盛なので。プライベートの時間での気付きも多いです。
――働き方としてはワーカホリックなほうですか?
全然。月金で出社はしていますが、6時、7時には帰ったりしています。土日は必ず休んでいますし。
――時間内に仕事を終わらせるために意識していることはありますか?
私、会議の間にダラダラ悩むことが好きじゃないんですよね。そういう時間は無駄だと思うので、もしそうなったら一度各自で持ち帰って、次の会議で案を持ち寄って出し合うというように、時間を効率的に使っています。あとは企画会議や確認の時間などがあらかじめ決まっているので、スケジュール通りにこなしていくという感じです。
だから、働き方としてはあまり働き詰めというスタイルではないですね。余白がないと新しいアイディアも生まれないと思うので。同じ場所にいると同じ世界しか見られませんが、新しい場所に行って新しいことをしていろんなものを見ると、そこから受ける刺激もあるので、良いアイディアが生まれると思っています。
――例えば、働く時間を長くすればその分売上が上がるという発想のある経営者さんもいらっしゃいますが、黒石さんはどちらかというとそうではない?
もちろん私がやらなきゃいけない仕事や、私がやったほうがいい仕事はルーティンに入っていますが、ほかは任せちゃうことが多いんです。たぶん完璧な人ってあまり社長に向いていなくて、ちょっと抜けているぐらいのほうがいいんじゃないかと思います。しっかりしていないからこそ、自分ができないことがわかっているので人に頼りやすいんですよ。自分が苦手なことは、それが得意な人がやるほうが効率的でいいと思います。
それに、私は結構丸投げすることも多いです。手取り足取り教えるよりも、自分でやり方を模索して解決していくほうが、イレギュラーがあったときにも対応できる。それは私が社会人になったばかりのときの経験からそう思うんです。上司もいない、デザインの仕事もしたことがないという中で、自分でイラストレーターやフォトショップを学びましたし、ノベルティを作るための業者も自分で探しましたし、全部開拓してきたので。それがのちに自分で会社を立ち上げるときにも生きているので、そういう自分で解決する力はすごく大事だと思います。
――今後の展望を教えてください。
今働いている子たちが上を目指せる会社にしていきたいと思っています。会社内で上の役職を目指せるようにするためにも、事業を横に広げたいなとも考えています。それがブランドなのか違う業種なのかはわかりませんが、新しいことはやりたいなと思っていますね。
――最後に、日々大切にしている考え方を教えてください。
座右の銘のような言葉ではないんですけど、「客観的に見ること」と、「直感で“いい”と思ったことはすぐに行動する」。それに限りますね。
それには、好奇心旺盛かどうかが大事かなって思います。いろんなものを見て、どんな小さいことでも「なんでだろう」と疑問に思うことが重要。全てのことには原因や理由があると思うので、その理由を知りたいと思えるかどうかが、客観的に見られる秘訣なのかなと思います。
直感という感性の部分を大切にしつつ、効率を追求する。経営者でなくとも、刺激を受けるインタビューでした!
■Ameri VINTAGEのサイトはこちら
https://amerivintage.co.jp/