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turning point「やる」も「やめる」も直感を信じる
――黒石さんがファッション業界を志したきっかけは。
学生のときに販売員をやっていたのがきっかけです。その後就職活動を始めたものの、何がしたいかわからなくて、自分のやりたいことを見直そうと思って東京に来たのですが、そのときに販売員時代の先輩に「新しいブランドを出すから一緒に働いてくれないか」と誘われて、本格的に仕事として携わるようになりました。
最初は商品管理として入ったのですが、立ち上げたばかりでやることが多かったので、ディスプレイを作ったり、webサイトのバナーデザインをしたりと仕事の範囲は幅広かったですね。そのうちにデザイン性を買われて、VMDとしてアートディレクションに近い仕事を任されるようになりました。この会社で働いたことは、その後のビジネスでの基礎となる経験になりましたね。
――転機になった出来事を挙げるとしたら、どんなことでしょうか?
3回ぐらいありますね。アパレルの販売員を始めたこと、上京して前の会社に入ったこと、ヴィンテージショップをやらないかと誘われたこと…。私、「絶対にやる」と決めたら行動に移すのがすごく早いんですよ。そういう気持ちになったのがこの3つの出来事ですね。この3つの決断がなければ今の自分はいなかったという意味でも転機です。
――大きな決断をするときの判断軸はありますか?
最初は直感で「これやろう」と思って、ずっと考え続けて確信が持てるかどうか。最初に直感で「やろう」と思っても、準備するうちに不安になってきたり違和感があったら、潔く辞めます。そのあたりの判断も自分の直感ですね。
――お仕事をする上で、大切にしていることはどんなことでしょうか?
常に疑問視すること。自分のことやブランドのことを客観的に見て、自分のやり方が全て正しいと思うのではなく、世間から見たらどう見えるのかを冷静に見ています。物事を客観的に見られるということが、今の自分を作っている要因かなと思いますね。