娘5人、孫11人…生活保護の勧めが転機に 日本シングルマザー支援協会代表・江成道子

娘5人、孫11人…生活保護の勧めが転機に 日本シングルマザー支援協会代表・江成道子

life style「パートしか無理」という考え方が変わる社会を目指して

――シングルマザーで5人ものお子さんを育てながら仕事もされて、大変なことも多かったと思うのですが、そもそも育児と仕事の両立は可能だと思いますか?

両立は可能だと思いますけど、やれることをやればいいだけじゃないかなって思います。私自身も母子家庭で育ったのですが、母親には「うちには父親しかいないと思え」と言われてきた経験があって、自分自身が家事を完璧にしようというよりは、子どもたちもできることは自分でやるという精神でやっています。

今になっていろいろ勉強して知ったのですが、役割を持たせることが子どもの自己肯定感を高めることにつながるようなんです。子育てでは、家をキレイにしておくとか、いつも美味しい料理を出すことよりも、子どもを強く生きられる大人にすることが一番大事だと私は思っています。

5人の子育てをしてきた江成さん。人数によって子育ての大変さは違いますか?「3人以上になったら、子ども同士で社会ができるので本当に楽です」

――今後の展望を教えてください。

すごく嬉しいことに、10年以上シングルマザー支援をやってきて、与える支援から活躍させる支援に変わってきたなというのは感じていて。さっきも言ったような「パートしか無理だよね」という考え方で仕事を選んで、5年10年を無駄にするような人を作らないような社会にしたいです。まだ一人親=貧困になるというイメージがありますが、行政にもそれを改善できる仕組みが入ればいいと思っています。

あと個人的には、子どもたちもみんな成人しているので、終活のことも頭にはよぎっています。75歳をゴールにしたときに残り20年。あと10年くらい仕事をめちゃくちゃ頑張って、子どもに残してあげたいと思っています。

――最後に、日々大切にしている考え方を教えてください。

千利休の言葉で、「守破離(しゅはり)」。大好きなんです、この言葉が。さっき、起業をする前の仕事の仕方を聞かれたときに、会社に必要とされる人になろうと思ったって言ったじゃないですか。そのことを「守破離だね」って言われたことがあって。そのときはこの言葉を知らなかったので調べたら、まさに私が大事にしてきたことだったなと。まずは言われたことをしっかりやるというところからスタートして、余裕が出てきたらオリジナルを作っていく。学べるものは学ぶという意識がものすごく重要だと思っています。

 

日本シングルマザー支援協会や江成さんの活動は、YouTubeチャンネル「Working Woman Walks」での対談動画でもご覧いただけます。あわせてチェック!

■一般社団法人日本シングルマザー支援協会のサイトはこちら
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