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topicsなぜボランティアではだめなのか?本当の救済とは
――先ほど二つの事業を行っているというお話でしたが、もう一つはどんな内容なのでしょうか?
一般社団法人としてボランティアをしている会社を一年ほど前からやっています。先ほど申し上げたように「ままよろ」では厳しい過程を経ても頑張れる方でないと、お仕事をお渡しできないんです。だから一割くらいの方しかついて来られないんですね。でも一度ダメになっても「やっぱり変わりたい」と思いもう一回来る方もいるので、「ままよろ」でダメだったから終わりではなく、定期的に接触できる手段が必要なのではないかと思い始めた事業です。
――どんなサポートを行っているのでしょうか?
ママへのサポートとして、マインドセットや映像編集などの講座を無料で提供する「ままoneアカデミー」というものを開催しています。また子どもに対してのサポートもあり、オンラインで無料の塾や英会話を提供しています。シングルマザーであることでお金がなくて、塾に行きたくても行けない子どもたちの教育格差を減らす目的です。
――なぜ「ままよろ」とは別の会社にしているのですか?
私は、ボランティアでは本当の意味で人を救えないと思っているんです。例えば魚を目の前に与えても食べたら終わりですよね。本当は釣り方を教えなくてはいけない。だから「ままよろ」では教育に力を入れていて、厳しい環境の中で仕事のクオリティを高め、ママたちがちゃんと稼げるようにすることで、会社としてしっかりマネタイズすることを目標としています。
でも今日食べないと死んでしまう人たちもいるから、そういう人たちには私たちがやっている制度や国の制度を使ってもらって、まずは目の前のことをクリアにしてほしい。ボランティアのほうでは、これからいろんな団体や行政とも提携していく予定です。シングルマザーの家庭は日本にだいたい130万世帯あるのですが、この二つを通じてせめてその一割のシングルマザーの人生を変えたいと思っています。