3月より新たに始まったYouTubeチャンネル「W3」(WORKING WOMAN WALKS)。当サイトlumilyを運営する株式会社voyageの代表取締役・愛沢えみりが、働く女性に必要な「キャリア」「子育て」「お金」…などの知識を視聴者と一緒に専門家から学んでいこうという番組で、記念すべき第一回目の内容をlumilyでもご紹介! lumilyでのインタビューも大反響だった株式会社キッズライン代表取締役・経沢香保子さんに、女性のキャリアについてお伺いしました。
【経沢香保子プロフィール】
慶應義塾大学卒業後、リクルート、楽天を経て26歳で1社目を起業。2012年、当時の女性最年少で東証マザーズに上場する。2014年に2社目となる株式会社キッズラインを創業。
【聞き手:愛沢えみりプロフィール】
元歌舞伎町No.1キャバ嬢。2013年にアパレルブランド「Emiria Wiz」を立ち上げ、2014年に株式会社voyageを創業。現在は美容クリニック、スキンケアブランドのプロデュースも行う。
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テーマ①新卒で稼ぐための企業の選び方
――今回のテーマはお金とキャリア。経沢さんは起業されていますが、会社員も経験していますよね。その上で、働く女性がどうやったら給料があがるかということを聞いてみたくて。
日本って男女の賃金格差が問題になっていて、中には稼いでる女性もいるけれども、一般的に見たら女性の賃金が高くないと言われてる国。給料を上げることが難しい状況で、稼ぎたい、自分に見合った収入が欲しいと思う人はどうすれば良いのか。私が考える方法はこうです。
①稼げる会社を選ぶ
給与水準が高い業界の求人を見る。例えば金融やITベンチャーで伸びている分野などを選ぶと良い。儲かっていない会社や、利益率が低い会社は給料が低くなりがち。でも、チャンスや経験の幅が広がったり会社が急成長すれば将来大きなリターンはありますので、そこもチェックして下さい。
②男女の格差がないところを選ぶ
女性も頑張ったらたくさんお給料がもらえる会社を選ぶ。女性が少なかったり、女性が活躍していない会社よりは、女性が活躍している会社のほうが男女変わらず評価される傾向がある。
③結果を出せる仕事を選ぶ
若いうちに活躍できる環境を選ぶことで、キャリアの早巻きができるので、給料を上げやすい。例えば営業職は自分が売った金額が可視化されるので、年齢に関わらず実力を評価されやすい。
――もし実力がまだまだだとしたらどうすればいいですか?
私は、今後伸びるベンチャーに賭けるべきだと思います。そういったところは、会社が成長するにつれて仕事量も役割も広くなっていくので、責任ある仕事を任されやすく、男女関係なく活躍することができます。
反対に大学時代に専門性のあることを学んでいるとか、経歴に自信がある人は、稼げる大手に一旦行ってみるという選択もアリだと思います。ビジネスマンとしての経験や基礎を磨いたり、稼いで貯金をしておくことができるので。
――就活がうまくいくコツはありますか?
就活って始めたばかりのときは自信がないんですよね。そういう時はひとまず受かりそうなところから受けてみるという方法がアリだと思います。ひとつ受かると次の面接で「内定出てます」と言えるので、採用する側からしても欲しい人材になる。私はこれを内定雪だるまって呼んでるんですけど、そうやって本命の企業に近づいていくという方法をオススメします。
テーマ②キャリアアップ、キャリアチェンジのポイント
――それでは就職した後や、すでに企業で働いている人がお給料を上げる方法はありますか?
一人で悩んじゃう人が多いと思うんですが、こういうときこそ上司に「何をしたら評価されますか?」と聞いた方がいい。社員さんが自分なりに頑張っていたとしても、会社がしてほしいということとずれていたら評価されません。上司がクライアントだと考えて、上司や会社のニーズに期待値もしくはそれ以上で応えていくのが良いと思います。
仕事ができる人のパターンというものがあるんですよ。一番仕事ができない人は、言われたことができない。それなりにできる人は、言われたことはできる。一番できる人は、言われなくても相手がやってほしいことができる。どこの会社も、言われなくてもできる人が欲しい人材ではあるけれど、まずは言われたことができるというところを目指していけば、伸びている会社だったらお給料も上がっていくし、ポジションも上がっていくと思います。
――転職するときに気を付けるポイントはありますか?
お給料アップのために転職する方法もたくさんあると思うんですが、私の場合はお給料を半分以下にして転職したこともあります。それには明確な理由があったからです。一社目に入ったリクルートでは、自分がどのくらいできるか勝負したかったから、結果がわかりやすい営業という仕事を選びました。その次は事業作りをやってみたいと思いキャリアチェンジをしたくて、当時急成長中の楽天で事業開発をやらせてもらいました。キャリアチェンジをするときは多少お給料がダウンしても仕方がないなとは思います。
――自分がどうなりたいかというビジョンを明確にして、なりたい自分に向かう過程に転職があるということなんですね。
そうですね。
テーマ③女性経営者から見た今後注目の副業は?
――副業についてはどう思いますか? 会社員をしながらもらえるお金をもう少しだけ増やしたいという方も多いんじゃないかと思います。
最近は残業も少なく定時で帰れる会社がほとんどだから、あいた時間で副業をやるのはいいなと思っています。ただ副業でビジネスをしようとなると、そっちで頭を使って本業がおろそかになってしまうと思うので、限られた時間で決められたことをやる副業はすごくいいんじゃないかと思っていて。
私がやっているキッズラインって、保育士の資格を持っている方が副業で働くケースも多いんです。会社の勤務時間以外のところで時給2,000~ 3,000円くらいで自分のスキルを生かして定期的に働く。毎回3時間働くとしたら一回1万円弱稼げますよね。例えば、毎週水曜日と土曜日にお客さんが入っているとして、週2万円弱稼げて、最低でも月に5万円は稼げます。
――それすごくいいですね。毎月のお給料に5万円プラスになれば人生の選択肢が増える。
40代、50代の方で子育てが一段落して働きたいから、家事や育児の経験を活かして研修を受講し、ベビーシッターをやるというパターンもすごく多いです。ほかにも掃除や家事代行は資格がなくてもできるので、料理が得意だったりお掃除が好きな人であれば東京はすごくニーズがあります。えみりさんはおすすめの副業は?
――私の会社ではSNSに力を入れているので、YouTubeやSNSのショート動画の編集がいいと思いますね。最初に勉強は必要ですけど、編集作業は家でもできますし、今後伸びていく分野だと思います。
テーマ④こんな人は起業に向いている
――経沢さんはどんな経緯で起業されたんですか?
そもそも私は女性として生まれたからには、30歳までに何かを成し遂げて、そのあと結婚や出産がしたいと思っていたんですね。楽天にいたとき、周りにいるすごい人たちはMBAを持っていることが多かったので、私も留学して勉強しようと思って会社を辞めたんです。ただ辞めたら全然勉強がうまくいかなくてニートに。そうこうしてたら周りの社長さんたちや知り合いの元リクルートの方からお仕事を頼まれるようになったんです。
――時間があるからゆえに。
ここの採用を手伝ってほしいとか、この事業を考えてほしいとかっていうことが増えていって。それであるとき、知り合いの社長さんに法人にしてくれた方が取り組みやすいと言われて、法人化することになった、いわば“できちゃった起業”なんです。
これを見ている人に伝えたいのですが、起業することが人生を大きく変えるとか、今までとは全く違った新しいことができるというイメージを持っているかもしれませんが、起業はそれまでにやってきたことの延長線上にあるものだと思うんです。私の場合もそれまで一生懸命頑張ってきたことに対して、自分を信頼してくれた人がまずお仕事をくれたので、会社員の頃に頑張っておいたことが起業に繋がったと思っています。
――確かに、起業がゴールになってしまうと自分で自分の首を絞めることになってしまうかも。
「今は会社員だからこの働き方は違う」というのも違う。
――サラリーマン時代と起業されてからは、お給料面ではどうでした?
一社目に起業した会社の場合は、もともとフリーランスとして働いていたときの売上を会社の売上としてつけたので、すぐにお金に困るということはなかったです。ただ、人を雇ったり事務所を借りたりしたら一気にお金がなくなりましたね。なので最初はコンサルティングの仕事で毎月固定で50万円払ってくれるところを5社見つけて、安定したらサービス開発して、次はシステム開発してみたいな感じで徐々に進めていきました。起業した時に3年以内に年商1億いきたいなと思って、それは達成できました。
――起業で一番苦労したことはなんですか?
一番最初はチーム作り。なかなか会社の知名度もないから人も集まらなくてすごく苦労しました。起業したのが26歳なんですけど、例えば私がリクルートで35歳くらいまで営業をやって起業したら仲間もついてきたと思うので、ミドルの起業と最初の起業のハードルは多少は違うかなとは思いますね。逆に若かったので何もリスクがなかったけど、ある程度年収を稼いでいたら、年収を下げるのが嫌で起業できなくなっちゃうこともありますよね。
――たしかに一長一短ありますよね。
でも年収は一旦絶対下がりますから。半年くらいの生活費を貯金しておくといいかな。
――経沢さんが思う、起業に向いてる人の特徴ってありますか?
向いてる人は、簡単に言うとポジティブな人。絶対に困難だらけで思ったより大変なんですよ。社員が急に来なくなったとか、入金されないとか、いろんなことがあると思うんです。そんなときにも「次からこうすればいいんだ」と起きたトラブルを未来につなげられる人はすごく向いてる。あとは困ったときに周りの人に相談できる人も向いていると思います。
――起業したい人がやっておいたほうがいいことはありますか?
たくさんの人に会いに行った方がいいと思います。例えば、今まで社長という人に会ったことがなかったら社長にたくさん会いに行って、どういう考えをしているのかを知るとか。私の場合は、一社目は女性マーケティングの会社だったから、それを必要としてそうな人とか、女性のトレンドリーダーみたいな人にいっぱい会いに行って、自分がやろうと思っていることを伝えて仲間を集めたりしました。
――それはどうやって会いに行ってたんですか?
リクルート時代の営業の経験を活かして、自分でアポをとって。今だったらSNSを利用してたくさん会いに行けると思うんですけど、当時はFAXを送ったり飲み会の場を活用していました。いろんな人がいるんだと気付くだけでも大きいし、その中から一緒に事業をできる人が生まれるかもしれない。まず活動量を上げるのが大事です。
それぞれのステージにおけるキャリアのポイントを伺った前編に続き、後編ではベビーシッターを活用した仕事と育児の両立方法についてお伺いしました! ぜひお楽しみに♪
☆後編「働く女性の育児の鍵はベビーシッターにあり!」はこちら
今回の対談の模様は、YouTubeでも配信中。あわせてご覧ください。
前編:【楽しく生きる為に】収入UPの秘密と働き方を学ぶ
後編:【知らないと損?】働くママの味方!ベビーシッターや補助金を学ぶ
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