徳島県から広める!「障害児が生まれても絶望しない社会へ」 株式会社ハビリテ代表・太田恵理子

徳島県から広める!「障害児が生まれても絶望しない社会へ」 株式会社ハビリテ代表・太田恵理子

徳島県で保育、リハビリ、看護が一体となった施設を運営する株式会社ハビリテの代表・太田恵理子(おおた えりこ)さんにインタビュー! 息子が水頭症であると診断されてからの葛藤や苦難と、それを乗り越えてパワフルに事業に取り組む太田さんの仕事観について伺いました。

【太田恵理子プロフィール】
年齢:38歳/職業:株式会社ハビリテ代表取締役/家族構成:息子(小2)
insta @eriko.ota.yuzureha
X @ErikoOta

topics障害があっても入れる保育園を作る!

――株式会社ハビリテの事業内容を教えてください。

障害児支援に特化した会社で、保育園や訪問看護など、保育と医療を掛け合わせた児童福祉施設を運営しています。徳島県に5つの事業所があり、その中でも認可保育園である「ゆずりは保育園」、重度の障害がある子でも通える事業所、リハビリができる事業所の3つを複合施設にして同じ建物内で運営しています。

――特徴のある保育園ですね。

そうですね。通っている園児の6割以上に何らかの特性や疾患があり、年齢や障害に関係なく、みんなが共に生活を送る「インクルーシブ保育」を実践しています。重度の障害がある子も医療的ケアが必要な子も保育園に入ることができて、かつ手厚いケアを受けることができ、さらに部屋を移動するだけで、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士からリハビリを受けることができるので、親が病院に送り迎えする必要もなく、園に通っている間にリハビリもできます。

こちらがゆずりは保育園。大人のリハビリとはアプローチが異なる子どものリハビリができる場所は少なく、しかも送り迎えが必要になるので、従来の施設だと通うにも家族の協力が必要に。ゆずりは保育園では、施設内を移動するだけなので、園にいる間にリハビリが受けられる。

障害児が生まれると、子どもを預けることができなくて、ママが仕事を辞めてしまうことがよくあります。私もその一人で、息子が水頭症という病気をもって生まれてきました。ですので、障害児でも長く預かることができる場所を作ろうと思い創業しました。

――今はどのくらいの人数のお子さんが通っているのでしょうか。

すべての事業をあわせて80名ほどです。医療的ケア児の子もみんなと一緒に遊んだり、発達がゆっくりな子にお友達が手を差し伸べたり、障害あるなし関係なくごちゃまぜに過ごすことで、いろんな子がいる環境が当たり前になって、とても優しい子に育つんですよ。この子たちが大きくなったときに、きっと差別や偏見のない心を持った子に育ってくれると思います。だから、幼少期からのインクルーシブな環境はすごく大事なんです。

これを実現させるためには保育と医療の連携が必須で、逆に言えば保育、リハビリ、看護の3つの条件が揃ったらどんなお子さんでも受け入れられる環境になります。この体制が当たり前になれば、日本がもっと優しい社会になるはずだと考えているので、幼少期の保育医療連携を通して、日本を良くすることをミッションに掲げています。今は徳島県で運営していますが、我々の取り組みを知って「自分たちにもできるかも」と思ってくれる人が増え、一人でも障害児の受け入れが増えて、日本全体が良くなったらいいなと思っています。

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