娘が30歳になったときに女性が諦めなくていい社会へ…ギフトになる事業を作る 株式会社ハハカラ代表・片田櫻子

娘が30歳になったときに女性が諦めなくていい社会へ…ギフトになる事業を作る 株式会社ハハカラ代表・片田櫻子

夫婦の家事育児分担を推進する事業を展開する、株式会社ハハカラ代表取締役・片田櫻子(かただ さくらこ)さんへインタビュー。事業の原点になっている出産の経験や、女性が本当に活躍できる社会についての考えを、伺いました!

【片田櫻子プロフィール】
年齢:34歳/職業:株式会社ハハカラ代表取締役/家族構成:夫、子ども二人(5歳、3歳)
insta @sakurako_hhkr
X @sakosake_1990

topics夫婦の家事育児分担をツールで可視化

――株式会社ハハカラの事業内容を教えてください。

夫婦の家事育児分担を見える化するコミュニケーション推進ツール「OYA.NOTE(オヤノート)」の開発、提供をしています。また、夫婦共同で受けるマインドセットの研修を、企業の社員さん向けや自治体を通して個人向けに行っています。

――「家事育児分担を見える化」とのことですが、具体的にはどのようなサービスなのでしょうか?

ジェンダーギャップやアンコンシャスバイアスの影響もあり、夫婦が共働きであっても、家事育児の負担は女性側に偏りがちです。それを可視化できるようにしたwebツールが「OYA.NOTE」なのですが、お子さんの年齢ごとに夫婦で取り組むべき家事育児を提案し、依頼や完了報告をツール上で行うことができます。例えば、「朝のこの家事よろしく」という依頼を送ると、相手には「家事が依頼されました」という通知が来ますし、家事を完了するとまた通知が届いて、確認して「ありがとう」を送れるというように、タスクごとに簡単にコミュニケーションが取れる仕組みになっています。

サービスを開発するために行ったヒアリングでは、夫婦のコミュニケーションをとるためにTime TreeやGoogleカレンダーを利用する方が多かったのですが、ただ予定を共有するだけではどちらが忙しいかはわかっても、何をしてほしいかまではわからないですよね。それをいちいち相手に言わなければならなかったり、頼んでいることを忘れてしまったりすることで、どちらか片方に家事が偏ってしまいます。「OYA.NOTE」を通して、簡単に偏りをなくして、夫婦のもやもやを解消することが目的です。

「親世代ではまだ夫婦間の分業がされていませんでしたが、今の子育て世代では分業が必須。『なぜ二人でやらなければいけないのか』を研修を通して伝え、気付きを得た方が『OYA.NOTE』に移行するというように、気付きとサービスをセットにしています」

――どのくらいの方がサービスを利用しているのでしょうか?

総登録者数は3,700名程度です。家事育児のタスクリストのほかに、産前から夫婦で協働してほしいという思いから、出産準備リストも提供していて、その流れで利用してくれる方が多いです。

これらのタスクリストは、ヒアリングをもとにしたデフォルトのテンプレートをご用意していますが、各家庭にあわせてタスクを追加して独自のものを作ることができます。そのリストをパートナーとシェアして、今自分たちはどのステータスにいるか確認したり、他の家庭はどんなふうに分担しているか比較したりもできます。

――サービスの運営側として、夫婦間で家事を分担しようという機運は高まっていると感じますか?

今は女性も働いている家庭が多いので、女性側からは家事分担をしてほしいという声はどんどん上がっています。ただ実際には、どのように分担したらいいかわからないとか、どのようにコミュニケーションをとれば良いのかわからない方が多いと感じます。また、最初に家事育児のタスクをリストアップする段階で、面倒くさくなりつまずいてしまうご夫婦も。そういうご夫婦に向けて、コミュニケーションをよりスムーズに取れる環境作りのお手伝いをできればと考えています。

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