EC業界で17年間「儲けさせた人が一番儲かる」 株式会社ワンプルーフ代表・平山和泉

EC業界で17年間「儲けさせた人が一番儲かる」 株式会社ワンプルーフ代表・平山和泉

turning point重要と緊急のマトリックスでは「重要」に注視する

――ご自身のビジネスの原点となる体験を挙げるとしたら、どんなことが思い浮かびますか?

二点あるのですが、ひとつは幼少期に周囲がみんな商売人だったということが大きいです。3歳ぐらいからお店の前で呼び込み営業をしていたそうなんですね。ECサイトを作るようになってからは、「和泉ちゃんにお願いすればどうにかなるらしい」と言ってもらったりすることもうれしくて、一生懸命作っていました。そんな経験から、商売は楽しいものだという思いがベースにあって、いまだにその感覚は変わっていません。「ワンプルーフにお願いすればどうにかなる」という期待を持ってオーダーしてくださっているので、それを叶えることが今でも楽しいです。

ふたつ目がフォーバル時代に大久保さんに教えていただいたことです。本当に厳しかったですし、怒られたことも理不尽なこともありましたが、ビジネスの基礎を学ばせてもらいました。特に、大久保さんに言われて座右の銘にもしている言葉が「儲けさせた人が一番儲かる」という言葉。お客さんが儲けることができたら自分たちが儲かるという原理原則を体感したので、とにかくお客さんに儲けさせたいという気持ちで事業に取り組んでいます。

新規事業の立ち上げも平山さんが担当。「Eコマースのノウハウが、ふるさと納税の寄付金額アップに転用できることに気付いて、今は20自治体くらいの支援をしています。去年からはEコマースの人材領域にも着手しました」

――では、転機になった出来事を挙げるとしたら、どんなことでしょうか。

創業して7年目くらいのときに、当時のナンバー2だった人間が辞めたことです。次の社長候補だと考えて手塩にかけて育てていたのですが、辞めて競合他社に行ってしまったんですね。その不安定な状況を見て辞めた社員も結構いましたし、会社としても危機、私のメンタルも危機という状態でした。そのときに大久保さんを始め、喝を入れてくれた先輩がいて、そのおかげでちゃんと組織として強くしていこうという考えに切り替わりました。等級制度や評価などを作り、「このステップを踏めば給料が上がる」ということを可視化することが、会社のメンバーを増やせた要因になっていると思います。

――仕事をする上でのこだわりやマイルールがあれば教えてください。

重要と緊急のマトリックスがあると思うのですが、私の場合は緊急という軸を考えていなくて、重要か否かの軸で考えるようにしています。Eコマースの場合は特に、緊急の出来事が多く、常に追われてしまう業界なんです。よく重要かつ緊急なことからやるべきだと言われていますが、これでは緊急に追われて重要なことができないと思うので、重要なことしかやらなくていいというふうに決めています。だから私の場合、自分があまり重要視していない経費精算なんかは時間がかかってしまうので、いつも怒られています(笑)。

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