DINETTE代表・尾﨑美紀 「女性経営者はどうせ続かない」を覆すロールモデルを目指して

DINETTE代表・尾﨑美紀 「女性経営者はどうせ続かない」を覆すロールモデルを目指して

turning point誰かのために頑張れる実感が、さらに頑張れるモチベにつながる

――尾﨑さんにとって転機になった出来事はどんなことでしょうか?

やっぱりブランドを作ったことですね。フィービーを作ったこと。

――ブランドを作って、自分の中で最も変化があったのはどんなことでしたか?

「なんでやってるんだっけ?」を思い出せるようになったところですね。事業を立ち上げたときからコスメはやりたかったんですけど、大学生の自分がいきなり物を売っても売れないのはわかってたので、ブランドを出したときにちょっとでも買ってくれる人がいるような美容好きのコミュニティを作ろうというところから、最初の美容メディアが始まったんですよ。でもメディアってオンライン上なので、直接お客様の顔が見えない。インスタライブとかDMとかのやり取りをしても、相手の顔って直接見えないじゃないですか。

でもフィービーを作ってから、SNSのコメントやDMに加えて、店舗やイベントに来てくれるお客様に会うことができて、実際に「フィービーで自分のことがもっと好きになれました」というお話を聞くこともあって。ただ肌がよくなったという“点”の話だけじゃなくて、その人の生活も少しでも変えられたのかなと思うと、改めて、やってきて良かったなって思います。誰かのためになることができているっていう大事な原点みたいな気持ちを思い出せるので。誰かのために頑張れてるって思うと、モチベがどんどん上がっていったり、さらに喜んでもらえる方を増やすためにどうしたらいいんだろうって考えるきっかけになったりもするので、そこかなと。

――今後の目標はありますか?

もちろん自分の会社を大きくしていくというのはありますけど、女性が活躍しやすい社会にしていきたいです。自分自身が起業したときに、相談できる女性の先輩や結果を出している女性起業家と出会うのも大変だったし、そこのロールモデルになれたらいいなというのはすごく思っています。私はわかりやすく大手の会社で働いた経験もないし、経営学を学んでたわけでもないので、好きなことで成果を出すことで、共感してくれる女性が増えるといいなと思います。

資金調達するときに、投資会社の投資担当ってほぼ全員男性なんですよ。なので、まつ毛美容液の話をしても、「それって何?」というところから始めないといけないし、市場がこれだけあってっていう説明をしても、「使わないからわからない」って理解しようとしない人もいました。ビジネスの可能性だけじゃなくて、女性であることで投資のハードルが高くなると感じることもありました。

――え、そんなことも…。

今でこそ少しずつ結果を出せるようになって信用がついてきたのであまりないですけど、起業初期にすごく大変だったことを振り返ると、自分の同世代や後に続く世代が、起業以外でも、自分で何かやりたいと思ったときに、ちゃんと好きなことで活躍できるような社会に変えていきたいなと思ってます。

この日のインタビューはDINETTE株式会社のオフィスにお邪魔しました。落ち着いたピンクのカラーのエントランスがとても可愛かったです!

――仕事でこれから活躍していきたい20代の女性に、あえてアドバイスをするとしたらどんなことを伝えたいですか?

振り返るとやっぱり、20代のうちにめちゃくちゃ頑張ることってすごく大事だなって思ってて。20代の方がこのインタビューを見てくれているとしたら、基礎固めというか、自分の土台を作っておくことがめちゃくちゃ大事だと思います。挑戦したし、失敗もしたけど、でもこういう学びもあったし、これだけやってきたから自分は大丈夫みたいな、これからも挑戦していけると思える自信を持てるようにしたり、自分のことを好きになってあげられる土台作りをしておけると、30代以降もいろんなことにチャレンジできるのかなと思うので。とにかくがむしゃらに頑張って、いろんなことをやりきってみる。

――「何から始めたらいいかわからない」という人におすすめできることはありますか?

私の場合は、好きなこととできることを掛け合わせて事業を始めてるんですよね。美容が好きだったっていうところと、SNSなら気軽に触れてたから運用だったらやれそうっていうところから。不得意なことでやってても続かないし思い入れもないと思うし、結果も全然出ないから、好きなことを因数分解したときに、可能性のあることをちょっとでも見つけてみるっていうことがすごく大事かなと思います。

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