フォロワー11万人、本山綾乃・50歳。アラフィフ・インフルエンサーの仕事の作り方

フォロワー11万人、本山綾乃・50歳。アラフィフ・インフルエンサーの仕事の作り方

turning pointブランクを経て「本当にできるのかな?」

――キャリアの話に戻りますが、先ほど子育てに専念していたのでブランクがあったとのことですが、そこから復職したり独立したり、勇気のいる選択だったのでは?

韓国コスメの立ち上げは面白そうだと思ったので飛びついたような形でしたね。ただ、そのときのお給料に関しては、ブランクもあるし「私に本当にできるのかな」という自信のなさがあって、しっかりと交渉できていなかったと思います。その会社を辞める段階では、もうどこかに属するという選択肢はなかったですね。子どもたちもいるので、自由な時間にお仕事する方法を探そうと思いました。

とはいえ、今の仕事も最初は本当に手探りで。「絶対にインフルエンサーになってお金を稼ぐ」という強い意気込みがあったわけではないんですよね。動画制作が好きで、企業さんにどれだけ貢献できるかを考えるのが楽しくて、気付いたら一人制作代理店をやっていたという感じ。オタクのように動画を制作して発信し始めたら、いつの間にかお仕事として確立できていたんです。だから、好きなことが収益につながっているのはうれしいです。


――収益化できるようになるまでは、どのくらいかかったんですか?

フォロワーが3万人くらいになってからお仕事の案件をいただくことが増えて、その頃はPRがメインでした。収益化できたのは7万人くらいになって、動画制作の依頼が増えてからですね。動画が増えれば増えるほど、それを見て「こういう感じで作ってほしい」という依頼も来るようになりました。

「編集アプリをダウンロードして、いろんな画角で動画を撮って、カット割りでどんな物語が作れるのか考えるのが楽しくて。父が広告の仕事をしていたので、その世界に憧れもあり、動画に入れるコピーを考えるのもワクワクするんです」

――本山さんの原点になっているのは、どんな経験でしょうか。

私は美術系の大学に行っていて、もともと何かを制作することが好きだったんです。就職してからも販売促進の事業部では、チラシを作ったり、サンプリングの企画をしたり、どんなツールを使うか、コンパニオンのコスチュームをどうするかまで考えていて、どうやったらお客様に届くのかを考えることが好きだったんですよね。その二つが掛け合わさって今があると思っています。

――仕事をする上でのこだわりやマイルールを教えてください。

例えば企業さんからPR案件をいただいた際には、お仕事をいただいたからにはなんとかして売上を伸ばして会社に貢献できるようにと第一に考えます。動画を納品したあとも、反応がどうだったか細かく聞いてしまいますね。そこで良かったところやイマイチだったところを自分に取り込んで、次の制作につなげています。DHCの販売促進時代には、サンプリングひとつでその地域の売上がどうなったか全部数字で出ていましたし、そういった自分の行動が結果に結びつく瞬間にやりがいを感じますね。

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