副業を活用して自分らしい働き方を実現した女性をピックアップ。今回は、骨盤ケアサロンでセラピストとして勤務する傍ら、副業で理学療法士や個人の整体の仕事にも取り組む三上千岬さんに話を伺いました。
【三上千岬さんプロフィール】
年齢:32歳/本業:骨盤ケアセラピスト/副業:理学療法士・整体師
insta@chisa.tarutaru
目次 [閉じる]
interview「産後のママをサポートしたい」という思いで、骨盤ケアセラピストに
――これまでの経歴や、現在のお仕事について教えてください。
新卒から約9年間、理学療法士として病院勤務をしていました。在職中には、訪問看護や通所リハビリといった病院外でのリハビリ業務、営業代行やメルカリでの物販ビジネスなどを副業として行っていました。
現在はママをターゲットにした骨盤ケアサロンで骨盤ケアセラピストをしながら、業務委託で理学療法士、また個人で整体の施術を行っています。
――理学療法士を目指したきっかけは何でしたか?
高校生の頃、医療とスポーツに関心があり、両方に関われる仕事を探していたのですが、理学療法士は病院でもスポーツの現場でも活躍できる職業だと知り、興味を持ちました。
また育った家庭では「きちんと目的を持って大学に行く」という方針があったため、自分が興味を持てる分野で、かつ就職に直接つながる理学療法士の資格を取ろうと思い、大学に進学しました。
――骨盤ケアセラピストや整体を始めたきっかけについても教えてください。
骨盤ケアセラピストを始めたのは、自分自身の妊娠・出産・育児の経験がきっかけです。特に出産後は体もメンタルも辛くて、子どもを育てていく責任感に押しつぶされそうになりましたし、「本当は自分が何をしたいのか」という自身の気持ちを見る余裕がなくなっていました。ただ私は運がいいことに、そんな状態から抜け出すきっかけに出会え、「自分と同じように辛い思いをしている産後のママたちの支えになる仕事がしたい」と思うようになりました。
そこで骨盤ケアセラピストの養成講座を受け、産後のママの心身をケアできる骨盤ケアサロンで働くことにしたんです。またほぼ同じタイミングで、これまでの経験を活かせて自由に働けるという理由から、個人の整体の仕事を始めました。骨盤ケアや整体の施術は1対1でじっくりお客様と向き合い、話ができるのがいいですね。
――個人の整体は、どのようにサービスを提供しているのですか?
出張、自宅での受け入れ、レンタルサロンの利用など、お客様に応じたスタイルで対応しています。なお集客や宣伝、施術まですべて自分ひとりで行っています。
interview本業は週3~5日、空いた時間で副業をするフレキシブルな働き方を実現
――仕事がある日の1日のスケジュールについて教えてください。
朝8時頃に娘を保育園に送った後、9、10時頃から16、17時頃まで仕事をし、その後娘を保育園に迎えに行き、家事や育児をこなしています。
ちなみに骨盤セラピストの仕事は週3〜5日ほどで、空いた時間で整体や理学療法士の仕事をしています。
骨盤ケアセラピストとして働き始める前に、骨盤ケアサロンのオーナーさんと、働き方や将来的に独立を目指していることを相談した結果、このようなフレキシブルな働き方が実現しました。
――今のような働き方になったきっかけを教えてください。
病院で理学療法士として働いていたときも、やりがいはありました。しかし出産後、「仕事だけではなく子どもとの時間をもっと大切にしたいし、新しいことにも挑戦したい」「働く場所や時間をきっちり定められる働き方がしんどい、働き方を変えたい」という思いが日に日に強くなっていきました。
そしてこれまでの経験を活かしつつ、フレキシブルに働きたいという希望を叶えようとしたら、自然な流れで今のような働き方になったんです。
今は病院で勤務していた頃に比べて時間も気持ちも余裕が生まれ、より仕事も育児も楽しめるようになったと思いますね。
――ママ向けのおしゃべりコミュニティも運営しているそうですが、そちらについても教えてください。
「ママたちが気軽に本音を話せる場を作りたい」と思い、会費無料のコミュニティを立ち上げたんです。月1回、お金やコミュニケーションなどの専門家を招いた無料の勉強会を開催し、自由に参加できるようにしています。
将来的には「個別にもっと相談したい」という方を専門家につなぎ、その際に紹介料をいただきマネタイズする仕組みを検討しています。
interview副業を始め、自分の世界がぐっと広がった
――副業を始めるにあたって、準備したことはありますか?
フリーランスで働いている方たちの話をたくさん聞きました。「どうやって始めたか」「SNSでの発信方法」「価格設定」など、気になったことはどんどん質問、相談しましたね。
また、特に意識していたのは人脈作りです。様々な交流会やイベントに参加してつながりを増やし、自分の活動を知ってもらうようにしましたが、それが集客につながっています。
――副業を始めて良かったと感じることは何ですか?
一番良かったと思うことは、自分の世界がぐっと広がったことです。病院勤務では周囲も似た価値観の人が多く、「このままでいいのかな」と悩むこともありました。ですが副業を通じて、全く違う考え方や働き方に触れ、「病院の外にもいろんな世界がある、いろんな働き方がある」と実感できました。副業で得た気づきや学び、コミュニケーション術は、本業の現場でも活かすことができましたし、自分がやりたいことに向けて動き出す力にもなりました。
さらに育児をする上でも副業で得た考え方がとても役に立ちました。親子と言っても人と人の関わりです。本質的な部分は大人同士のコミュニケーションも子どもとのコミュニケーションも大差ないと感じています。子どもとのコミュニケーションを通じて学ぶこともとても多いので、こういった気づきも発信していきたいですね。
――逆に大変だったことは何でしょうか?
スケジュール管理と体力面ですね。特に平日フルタイムで働き、土日に副業という生活をしていた頃は、休みが取れず体調を崩したこともあります。
また「続かない副業」や「お金にならない副業」に手を出してしまい、失敗したこともあるのですが、これは副業の目的を明確にせず、ただ何となくやっていたのが原因だと思っています。
――今後の目標を教えてください。
現在は、骨盤セラピストや理学療法士の収入がメインで、整体の仕事は収入全体の一部という感じなのですが、この収入の割合をいつか逆転させたいと思っています。私の娘は今2歳半ですが、娘が小学生になると帰宅時間が今よりも早くなるので、それまでにもっと自由に働ける体制を作っておきたいというのが、その主な理由です。
整体の仕事はひとりでしているということもあり、かなり融通が利きます。その柔軟な働き方を活かし、チャレンジしている姿を娘に見せていきたいですし、いろんな選択肢があること、何を選んでも自分次第でどうにでもできることを伝えていきたいと思っています。その一歩として、将来的には医療従事者に向けたコミュニケーションや考え方に関する研修なども提供できる仕組みを作っていけたらと考えています。
専門性を活かしながら、出産や育児といったライフイベントを経て、働き方を柔軟に変化させてきた三上さん。「自由な働き方を手に入れたことで、仕事だけでなく育児もより楽しめるようになった」と語っていたのが印象的でした。
副業に興味がある方は、この記事を参考に、ぜひできることから始めてみてくださいね♪
■副業インタビューにご協力いただける女性を募集中!
ご応募はこちら